この映画は何より、成り立ちが興味深い。イスラエルのユダヤ人を映画で見たことはあっても、パレスチナ人はドキュメンタリーの中でしか見たことがなかったので、アーティストとして生き生きと活動している彼らを見られただけでも鳥肌が立ちます。
民族と宗教はすごく強く結びついてるし、壁のあっちのアメリカによくいる風貌と比べて、パレスチナ人はアラビア半島の人たちと風貌も人生観も近いのかと思ってたけど、思ったよりミックスしてる。パレスチナの女性たちはヒジャブを被らない人も多い。同じ地域で暮らしていて、私が行っても見た目で区別はつかない。
全体的にコミカル(※主役はクスリとも笑わない、まるで愛想のない男だけど)だけど、テーマがテーマなだけに、けっこう緊張しながら見たけど、期待を裏切らない、普遍的なユーモアがありました。<以下ネタバレかな?>検閲官な…。彼の官僚らしさと、その一方にある俗っぽい人間らしさが、見る人に共感を与えます。
この流れで、笑いながら肩を抱き合うユダヤ人とパレスチナ人が見られたら…なんていうのは短絡すぎる、楽観的すぎる考えなのはわかってますが。
面白かったです。連ドラの第2シーズンが見たい!