奇しくも来月のNHK「100分de名著」でこの作品を取り上げるということで、さっそく見てみました。1966年のイギリス映画「華氏451」がすごく好きなので、どうリメイクされたか興味津々。
”悪書”を焼き払うというストーリーだけど、未来が舞台。現代より後の時代に設定すると、紙が全部焼き払われてもテキストデータが簡単にコピーできるので成立しないと思ってたんだけど、どうやって説得力を持たせるのか?…どうやら、人間はすべて、前提として洗脳されてるみたいだ。1966年版はそこまで人間を管理しきれてなくて、紙の本の物理的存在が中心となってたっていう違いがある。
だから、「私はxx」と書物のタイトルを名乗る、その書物を全編暗記した人たちは出てこない。あれが好きだったんだけどねーー。
読むべき書物は聖書と「白鯨」と「灯台へ」。白鯨はともかくヴァージニア・ウルフはそんなに教科書的な作品なのか?(読んだことないけど、女性の権利運動で有名なヴァージニア・ウルフだし)「怒りの葡萄」やカフカは悪書らしい。1966年版でもそうだっけ?
犯行グループの人たちは「ウナギ」と呼ばれてる。これも日本人にしてみれば違和感あるな…。
見覚えのある女の子だと思ったら、「クライマックス」で踊ってたソフィア・ブテラだ。こわもてのマイケル・シャノンも「ナイヴス・アウト」や「シェイプ・オブ・ウォーター」他ちょくちょく見る顔。マイケル・B・ジョーダンはあまり私は見てないな。それより、さっきまた見た「バニーレーク」のキア・デュリア兄さんが見たい。と思ったら、「昔はジャーナリストが自分で取材をして何か月もかけて記事を書いていた。今は自動化されたテキストの見出しだけだ」と訴える、元ジャーナリストらしき老人の役だった。気骨があるいい役。
思想警察を描いた作品だけど、文学的なにおいがしなくて、未来SFの雰囲気なのがやっぱり違和感があったかな~。