この監督の作品は好きなのがいくつもあります。なんかテンポがいいんですよ。間合いというかキレというか。しかしこの作品は、豪華すぎるキャストが入れ替わり立ち代わり登場して、フェスのような全部盛り感もあります(妻夫木聡のキャラクターが役者の雰囲気に比べてチャラすぎたり、小松菜奈や岡田准一はそれぞれの役にはもったいない感じがあったりするけど)。テンポがいいというより、インスタ映えする豪華ディナーをコマ切れでバラバラと見せられているような感じもします。松たか子のキャラ設定はいいけど、ビジュアルがすごくテレビドラマっぽくて、これは不要。
現代的、日常的な設定のなかで、昔からの恩讐が襲ってくるというのが、最近評判のアジアン・ホラーと近いものがあって(こっちが先なんだけど)惹きつけられます。あれ?プロデュースに川村元気の名前がありますね。だからこうテンポが速くてエンタメに寄ってるのか。
大規模祈祷大会は敵の正体がまったくわからないまま大規模に執り行われます。松たか子はそこまでの大イベントを催すのにあたって、全国の祈祷師のみなさんにどういう説明をしたんだろうか。命がけなのに。これとか、以前好きでよく見てた「TRICK」みたい。
マンション一室における最終決戦は少年ジャンプとかの過激なバイオレンス漫画のようです。激しければ激しいほどよい。
しかし松たか子の演技力はすごいですね。こういう人が実在すると思わせてしまう。いい人も悪い人も怪しい人も。
全体的には、面白いんだけど、豪華俳優や監督や、この映画を懸命に作る人たちの熱意がもったいないような印象もちょっとあります。「あれ」を呼び寄せるのに鏡と刃物が苦手?だったらみんなで鏡と刃物をたくさんもって魔除けを怠らなければだれもやられないのでは?あと、どうせ殺すならさっさと対象人物だけ殺してくれよ、周りを巻き込まないで。とか、その辺が納得感のないまま進んでしまう感じもありますね。
それはそうと、オムライス食べたくなった…。