映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2012-08-26から1日間の記事一覧

キャロル・リード監督「第三の男」102

1949年作品。「市民ケーン」は1941年作品で、迫りくる戦争を思わせる不穏な空気が感じられましたが、こっちは戦後です。どこか前向きなカラっとした空気のある映画です。 闇取引とか、きらびやかな劇場とか、戦後のどさくさの荒っぽい熱気を感じさせます。 …

鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」 101

1980年公開作品。この監督の映画、初めて見ました。 率直にいうと、変な映画でびっくりしました。ケン・ラッセル「白蛇伝説」を思い出しました。けれん味の大御所って感じです。主人公を演じる原田芳雄、その友人を演じる藤田敏八、芸者と貞淑な妻の二役を演…

オーソン・ウェルズ監督「市民ケーン」100

記念すべき100本目は、名高い名作。 1941年公開という旧作ですが、隙のない構成、台本、画面構成等で、技術の未成熟による完成度の低さがまったくありません。だいいち、弱冠30代のはずのオーソン・ウェルズをはじめとした役者さんたちの、老年期のメイクや…