映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

カーティス・ハンソン監督「ゆりかごを揺らす手」441本目

すごくフツーのアメリカの夫婦の家庭に、悪意に満ちたベビーシッターが入り込んで、家庭を壊そうとしたら?…というお話。 ストーリーは割とよく作られてるんじゃないでしょうか。ペットシッターが、他人の家庭をそこまで恨むことの説得力とか。興味深いのは…

テリー・ギリアム監督「Dr.パルナサスの鏡」439本目

(あえてヒース・レジャーやその代役については触れないで感想を書いてみます。) 非常に美しく想像力豊かな画面、複雑怪奇なストーリー、不可思議でチャーミングな登場人物たち。 最初はさっぱり訳が分からなかったけど、目が離せません。当然もう一回見ま…

マーク・ハーマン監督「ブラス!」438本目

いい映画だった。 どんなに世の中がひどくても、仲間たちと奏でる音楽は素晴らしい。でも明日から何をして食べていこう…。これが日本では「フラガール」なわけですね。(時代違うけど) 映画の中のせりふに「おれたちがこんなに苦しんでるのに、ブラッディ・…

黒澤明監督「影武者」437本目

たまたま「デルス・ウザーラ」を見たばかりなので思うには、意外とこの2作品は似てる。 画面の暗さ、カラーのどぎつさや、カメラがすごく引いてるところ。デルス・ウザーラではそれがすごくロシアっぽく感じられたんだけど、同じ特徴がこの映画にあってびっ…

ルネ・クレール監督「自由を我等に」436本目

「自由を我等に」というのは、監獄からシャバへ!工場から人間的な職場へ!警察から逃れて!…等、いろんな自由を意味してるようですね。要領のいいルイのふてぶてしさや明るさ、気弱なエミールのやさしさやデリケートさがそれぞれ際立って楽しいです。典型的…