映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2014-02-27から1日間の記事一覧

ヴィクター・フレミング監督「オズの魔法使」659本目

びっくりした。すんごい極彩色(=テクニカラー)のフリーク映画じゃないか。 ちっちゃい大人が大勢出てきて、着飾って超楽しそうに行進したり、丸くなって踊ったり。 いろんな人たちが仲良く暮らす、この世でない楽園。 ちょっと太りぎみで美声のジュディ・…

スタンリー・キューブリック監督「フルメタル・ジャケット」658本目

ゾクゾクするなぁ、キューブリック。最高に胸くそ悪い、マッチョで下品なのにみょうに端正で説得力のあるハートマン教官。 デブで運動神経のにぶいパイル、いじめられて目がどんどんイっちゃって、予想できた結末を迎える…でもここまでで、わずか30分。そこ…

新藤兼人監督「わが道」657本目

久々に新藤兼人作品を見ました。 さすが、納得の新藤クオリティ。ふつうの人の無言のたたかいを描き続けてきた監督の、静かな怒りや痛みが見ているものの心にまっすぐ届きます。この映画では、警察や役所の「お役所仕事」のはざまに落っこちて、消えてしまっ…