映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

アルフレッド・ヒッチコック監督「トパーズ」1071本目

1969年作品。 ストーリーが複雑すぎて、登場人物も多すぎて、かなり難しかった。オチについていけないくらい。 一度見て、ネットであらすじ(ネタバレ)を熟読してからもう1回見ました。で、やっと人の区別がつくようになった。 近代世界史を知らないのもあ…

アルフレッド・ヒッチコック監督「引き裂かれたカーテン」1070本目

1966年作品。 「Torn Curtain」ってタイトルは、TelevisionのMarquee Moonってアルバムのなかの曲にあったんだけど、これが出処ですね。「引き裂かれた」っていうと、ビリビリに破り去られた感じかと思ってたけど、映画の印象は「鉄のカーテンに裂け目が入っ…

白石和彌 監督「凶悪」1069本目

2013年作品。2年も前か。 重くて黒くて、画面のなかの彼らの”殺意”が見ている自分に転移してくるようでした。 心が折れない悪い人が、他の人たちの恐怖や憎しみや恨みをあざ笑ってた。 「バベル」より怖いかも。「冷たい熱帯魚」よりエンタメ性低いかも。 …

アルフレッド・ヒッチコック監督「山羊座のもとに」1068本目

1949年作品。カラーです。 イングリッド・バーグマンが少し年をとったなぁ。まだ34、5歳だけど、無垢な可愛らしさが大人の開き直りにとって変わったような印象です。むしろ、目つきのキツイ召使のミリーのほうが印象に残ります。映画の世界観は、「風と共…

アルフレッド・ヒッチコック監督「海外特派員」1067本目

これは面白かった! ヒッチコックの渡米第2作。イギリスの開戦前夜(文字通り)に行われたという設定のスパイとの攻防を、非常に迫力のある映像で描いています。ただし”アメリカ礼賛!!”で終わりますが。(鷹の銅像で国家だよ!)それにしてもすごいタイ…

今村昌平監督「ええじゃないか」1066本目

1981年作品。 全編騒々しくて、「静」と「動」が対比になってないかんじの映画です。 江戸の猥雑なパワー…には、隠微な、あるいは狡猾な夜もあっただろうに。 爆発するような激しい映画から、静けさを描く後期の作品へ移行する途中の作品のように思えます。 …

クリストファー・マッカリー 監督「ミッション・インポッシブル ローグネイション」1065本目

平和島シネマサンシャインにて、「4DX」鑑賞。ただし3Dではありません。 映画好きな仲間と行って、終わってから「すごい揺れたね〜」「耳元に弾丸飛んできたよね」等々ひとしきり騒いだりして、楽しかったです。いっそのことシートベルト付けてもらって、…

アルフレッド・ヒッチコック監督「フレンジー」1064本目」

1972年の作品。ロンドンに戻って制作されてるので、俳優さんの雰囲気とかは初期の作品のようだけど、追い詰められる人間心理をイヤラしく攻めるやりかたはハリウッド以降のもの。この映画では、若干刺激的なレイプシーンや、あえてみにくく演出した被害者の…

イ・ジュヒョン 監督「レッド・ファミリー」1063本目

ベースとなる問題は今に至るまで長期にわたって続いているので、切り口がいっぱいあります。 この映画は、ブラックコメディととらえればいいのかなと思いました。レッドファミリーは北のスパイ、一見家族のようだけどためらいなく人を殺す。その隣の家族はお…

ロン・ハワード 監督「ラッシュ プライドと友情」1062本目

命がけでレースに挑む男の人たちの気持ちは、正直よくわからないのですが、全く違うタイプのジェームス・ハントとニキ・ラウダのライバル心と友情が素晴らしかったです。いい映画やねぇ。方や、見かけにまったく頓着せず、ひたすらマシンの調整と運転技術の…

アルフレッド・ヒッチコック監督「白い恐怖」1061本目

1945年作品。 これもまだ、イギリス時代の作品なんですね。 面白く美しく完成度の高い映画でした。 カメラワークの冴えは目立ってきた(と感じる)けど、胃が痛くなるほどの圧迫感はなくて、まだ見やすい。 それにしても、戦争中にこれほど1作品ごとに精緻…

サタジット・レイ監督「大地のうた」1060本目

1955年にこの映画がカンヌで受賞して、ラヴィ・シャンカールがビートルズにもストーンズにも多大な影響を与えた…ということはわかる。一方ボリウッドでは美男美女が踊り歌う超エンタメ映画が毎日作られてるのも事実だ。…その間いったい何があった?? サタジ…

ジェームズ・ガン 監督「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」1059本目

うーむ。 スターウォーズは小さいころから刷り込まれてるから好きだけど、それ以外は私にはあんまり関係ないみたいだ。 これを最後にマーヴェルものを見るのはやめよう。 面白くないこともないんだけど、新しい登場人物に慣れて、最後までストーリーを追うこ…

マーティン・スコセッシ監督「ウルフ・オブ・ウォールストリート」1058本目

すごく面白かった。 原作者は私と同年代なのに、わずか20~30年前にこんな酒池肉林が繰り広げられてたなんて。 金融会社といってもこれではギャングだ。アメリカでもマリファナはともかくハードドラッグは違法でしょ? 欧米の人たち(ひとくくりにはできない…

エーリク・ポッペ 監督「おやすみなさいを言いたくて」1057本目

妻であり、母でもある戦場カメラマンが、家族の理解の限界や自分自身の良心と、報道という使命(あるいは極限状態に対する中毒的渇望)と戦う映画。この過程はやや左寄りで、自分の妻が戦地に向かうことに耐えられない夫も、地元ダブリンでは対岸にあるセラ…

アルフレッド・ヒッチコック監督「間諜最後の日」1056本目

1935年の作品。 ピーター・ローレがまたまたアクの強い役どころ。信用できるのかできないのかわからない外国人スパイです。 それにしてもこの頃ってスパイ映画多いね。ヒッチコックに限らず。イギリス時代の作品はクールで演出抑えめな印象です。その分、ピ…

アルフレッド・ヒッチコック監督「見知らぬ乗客」1055本目

ヒッチコックがハリウッドに行った後、1951年の作品。これは文句無しの傑作。 急に画質が良くなって、粘りつくような怖さが出てきました。これがハリウッド。私が「すごいけど苦手」だと思うヒッチコック映画の世界です。ああ、見続けるのが辛い…と思わされ…

パスカル・プリッソン 監督「世界の果ての通学路」1054本目

こんな可愛い子どもたちがこんなにがんばって学校に通うなんて、感動せざるを得ないよ〜。 もちろんノンフィクションだけど、きれいな構成でまとめてあって絵本みたいです。BSプレミアムでは珍しい、日本語吹き替え。やっぱり子ども向けだ。 通学時間4時間…