映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2021-04-07から1日間の記事一覧

ジョン・ヒューストン監督「黄金」2942本目

<ネタバレあります> ボギーって都会派の探偵とかじゃなかったの?金鉱堀りもやるんだ。 しかも、悪役の中でも心のひねこびた欲深く疑い深い男です。山へ入る前は、給料未払いのボスを襲ったときも、払われるはずだった金額だけを抜いてあとは戻す、律儀な…

レミー・ベルヴォー/アンドレ・ボンゼル/ブノワ・ポールヴールド監督「ありふれた事件」 2941本目

万引きくらいのノリで殺人を繰り返す殺人犯の密着ドキュメンタリーを撮ろうと撮影クルーが常に同行している。殺人犯は常に普通に朗らかで、カメラに向かって偉そうにいつも自説をぶっている。これは1992年の作品だけど、今ならきっと殺人を投稿するYouTuber…

市川崑監督「ビルマの竪琴(1956年)」2940本目

最近の戦争映画はおおげさな音楽を排して、現場音っぽい銃撃や息遣い、無音状態でむしろ観客の緊張感をうながすものが多いように思うのですが、この映画は始まってすぐ、美しい竪琴の奏でる音楽(手作りでこの美しい音はないけどな)が流れて、ふっと緊張が…

ハワード・ホークス監督「ヒズ・ガール・フライデー」2939本目

「フロント・ページ」が意外といまいちだったので、同じ原作の古いほうの映画を見なおしてみます。(原作は戯曲で、ヒルディは男) ヒルディを演じてるロザリンド・ラッセル、綺麗でカッコよくて素敵。その上司を演じてるケーリー・グラントと並ぶと、うっと…

マイケル・パウエル監督「血を吸うカメラ」2938本目

殺人カメラマンが被写体に選んだ女優の赤い髪、細い体、お人形みたいな大きな目…やっぱり「赤い靴」の人でした。 この映画って”アイデア一発勝負”なんだけど、思い付きを現実に近づけるための作りこみがあまいところがあって、せっかくのしつらえにして全然…