映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

井上淳一監督「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」3900本目

「止められるか、俺たちを」では女性監督 吉積めぐみの生き様がとても印象に残ったけど、この続編に彼女が出てこないことは想像できたので、後日談なのか、そのほかの若松組のてんまつの話なのか、どちらにしてもドキュメンタリーに近いフィクション、「再現…

押山清高 監督「ルックバック」3899本目

これは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の日本アニメ版なんだな。見ていた人たちも、作っていた人たちも、同じ痛みを共有していたから、この映画を作らなければならなかったのかもしれないな…。 悪いニュースを見て、それだけで終わるん…

入江悠 監督「あんのこと」3898本目

覚悟して見たけど、やりきれんですね。この映画を作った人たちはみんな、杏のことを知って胸を衝かれて、彼女が生きたこと、闘い続けたこと、笑うと可愛かったこと、がんばっていたこととか、残しておかなければって思ったんだろうな。 人間の一番弱い部分は…

安田淳一 監督「侍タイムスリッパ―」3897本目

これはいい!期待もしてたけど、見終わったときの気持ちよさが最高です。新旧の映画人のみなさんと、映画を愛する人たち、そうでもない人たち、つまり人類全体に愉快さとあたたかさを届けてくれる映画でした。 設定を聞くだけで可笑しいけど、山口馬木也のた…

ショーン・ベイカー監督「レッド・ロケット」3896本目

見逃してた作品があったので、さっそく見ました。他の作品では主従関係の「従」だったバカな悪い男のほうを主役にしてしまった作品です。 まぁほんとに、しょうもない男を絵に描いたような男です。彼を注視してると「もういいや」って気になりますが、今回の…

ショーン・ベイカー監督「ANORA アノーラ」3895本目

<結末にふれています> やっと時間できた!映画館に行くのが去年の8年の「オッペンハイマー」以来という状況で、まず何を見るか? 教皇も気になるけど何より、大好きな「フロリダ・プロジェクト」と「タンジェリン」のショーン・ベイカー監督がアカデミー賞…

清水崇監督「ミンナのウタ」3894本目

LDHはけっこうたくさん映画に出資してるなと思います。これもその一つなんでしょう。EXILEって前はまったく誰が誰が区別つかなかったけど、仕事で一瞬からみかけたことから出演番組を見るようになって、この作品の出演者も「はっ、名前まで全部わかる!」と…

市川崑監督「破戒」(1962年) 3893本目

このDVDジャケット、「第七の封印」みたいな構図だなぁ。人間たちのポーズは全然違うけど、地面が画面の下半分を占めていて、その上を葬列が進んでいく。 小諸で一泊→2022年の映画「破戒」を見た→という流れで、前から見てみたかった市川崑監督、市川雷蔵主…

前田和男 監督「破戒」3892本目

終末に小諸に行ったら、島崎藤村の足跡があちこちにあったんだけど、そういえば小説を読んだ覚えがない…。宿に持ち込んだPCでU-NEXTに入ってる「破戒」を見ようとしたけど、wifiが遅くてぶつぶつ切れるので、帰宅してから改めて見てみました。 破戒といえば…

山中瑤子監督「あみこ」3891本目

「ナミビアの砂漠」もこの映画も、主人公の強烈な人格に引いてしまった人にとって、最後まで見ることは苦行かもしれない。私も現実にこういう傍若無人で圧の強い(圧が強いのは「あみこ」だけで、ナミビアのカナは自堕落なだけでケンカ強い感じはないか)人…

ヴィム・ヴェンダース監督「アメリカ、家族のいる風景」3890本目

このちょっと変なタイトルは、「パリ、テキサス」にひっぱられて、なんか途中に「、」を入れたくなったのに違いない。それ以外には、キャッチーでもセンセーショナルでも詩的でもなく、あんまり印象のない邦題になってしまいました。 このタイトルのため、ず…

ペドロ・アルモドバル監督「ストレインジ・ウェイ・オブ・ライフ」3889本目

わずか31分の短編だけど、KINENOTEに載ってるってことはどこかで上映したのか。 感想は、まず、これは「ブロークバック・マウンテン」のアルモドバル監督によるアンサー・ムービーなのかなと思った。あと、イーサン・ホークがすっかりおじさんになった。いま…