その他の国の映画(90年代以降)
ドキュメンタリーのdocumentっていう英単語は動詞だと記録するという意味だ。ただ撮るのが本来のドキュメンタリーだと思うけど、この映画ほどひたすら事実を記録したドキュメンタリーって見たことないです。記録した事実を監督の考えに従って並べ替えたドキ…
よくできた映画でした。このラテン的情緒、現実と怪奇やファンタジーに垣根がない感じがすごく、なんというか、体質に合うんですよ。 <ネタバレあり> よくあるミステリアスな映画みたいに始まるけど(※私はその手は総じて好き)、坊やの宝探しゲームが「リ…
<ネタバレあります> どう捉えるか、難しい映画だな。こういう映画は観るものによって解釈が分かれるんだろう。原題は「Chronic」慢性的。邦題は監督の意思と無関係だと思うので、この映画を「Chronic」と名付けた監督の気持ちを推し量ってみよう。 慢性的…
監督は知らないけど製作にペドロ・アルモドバルが入っています。でもいつもの作品と違ってユーモアなし。 誘拐家族のお父さん怖いです。悪気のかけらも見せないいつもの落ち着いた表情。これは「家業」なのか。家族を巻き込むところがズルい気がするけど、子…
なんだこの映画は?まったく何語かわからないこの言葉は、ヘブライ語?翻訳できる人すごく少なそう…多分英語原稿と一緒に海外配給してるんだろうな。 怪しくて雰囲気があって、なかなか楽しめました。ものすごく特殊なストーリーとか大どんでん返し、とんで…
見終わってひとつうなずく。うん。これは、ゴスペルでキリスト教を広めるように、サファイアズの魅力でアボリジニの現代史を広める映画なんだな。 彼女たちの才能や魅力の輝きを、その後アメリカのショービジネスになんで持って、カーネギーホールに出なかっ…
なんとなく、タイトルとDVDビジュアルからフランス語の映画かなという印象を持っていたので、いきなりスペイン語でちょっと面食らった。でも製作ペドロ・アルモドバルだしセシリア・ロスが出てるし、原題は「The Angel」というのを見てなんとなく納得しまし…
フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセルの3人による「RKSS (Roadkill Superstars)」という最低な名前の映画監督ユニットによる作品。 トラウマ映画として知られているので、おそるおそる見てみましたが、これはじんわりと…
カナダ映画となってるけど、舞台はニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにある手作りギター店。この店に1週間張り付いて、ギター制作者リック・ケリーと事務員の母親、見習いのシンディと、店に来る人たちのなりわいを撮影した、シンプルなつくりのドキュメ…
イランの映画。いろんな顔、いろんな肌色の子がいるね。白人っぽい子もいれば、肌が浅黒い子もいる。みんな無邪気。 靴を買うお金にも困っている家庭で、お兄ちゃんがちょっと目を離した隙に妹の靴を失くしてしまう。家にほかにスリッパくらいしかない。親に…
いい映画でしたねー。なにしろ実話ですから。といっても本人のTED映像では最初は風力発電で家電を使えるようにして、その後太陽光発電で灌漑できるようにした、とか、姉妹が大勢いたか、フィクションの部分もあります。 マラウイという国は名前を聞いてもわ…
この映画は、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが製作に名を連ねてるのでずっと見ようと思ってたのですが、よく見たら監督のキャリー・フクナガは次の「007」の監督に抜擢された人ですね。この映画のあとには「ジェーン・エア」を撮ったのね。 で…
サウジアラビアは、女性の露出部分が世界で一番くらい少ない国だ。真っ黒な衣をかぶって顔は目だけを出す。だけどこの子はオテンバだ。ゴージャスな美人(モニカ・ベルッチみたい)の母親と雰囲気違いすぎ~~ この国では女の子が自転車に乗ることもできない…
カナダ映画。デヴィッド・ボウイが出てるんですよ。1999年といえば20年も前で、元気そうではあるけど、年とったね、という印象もあります。彼の役どころは「難病の少年を勇気づけるため、自分の死後に謎解きを残していった男」です。なんかしんみりしますね……
驚きました。これがカンヌで外国語映画賞を取らなかったなんて。 パルムドールを取っても全然不思議じゃない力作でした。 苛烈な政治闘争のど真ん中にいた女性とその子供たちが、運命に振り回されることは想像できるけど「まさかここまでは。偶然が重なるに…
この監督は、アルフォンソ・キュアロンの身内なのかな?彼の監督した「天国の口」の脚本を書いたりしてますが。 ガエル君とディエゴ君という二大メキシカン俳優がまた出てますよ。巨大なバナナの木々の下を、収穫した巨大な房を背負って小走りに行く小柄な「…
強烈な自意識の続き。 自分、自分、自分、 もうアレハンドロによるアレハンドロ語りの厚さ、濃さに当てられっぱなしです。 でもそこには普遍もある。 自分中心ではあるけど、自己愛と同じくらい深い自己嫌悪もある。こんな自分でも愛してやろうじゃないか、…
2001年、アルゼンチン・スペイン映画。 遠い国で作られた映画は、言葉も表情も生活も自分と違いすぎて、全てエキゾチックに魅力的に見える。という良いバイアスがあると思うけど、それを考慮しても面白かった。彼女と彼をつなぐものは、日本でも他の国でもな…
わりと最近の映画じゃないですか。2012年。 キューバに旅行したので、関係のありそうな映画を見まくってるだけですが。 この映画はオムニバスで、普段目につきにくいラテン諸国の(当時)新進気鋭の監督がハバナでの7日間の出来事を1日ずつ担当しているよう…
素朴な社会主義国のなかの、アーティスティックな”オカマ”、というかなり想像しにくい設定だけど、見てるとなんら不自然なことはなくて、どこの国のどこの街にも同性が好きな大人がいて、世の中のためを常に考えている純粋な学生もいる。すごく違う人どうし…
先日初めてこの監督の映画を見たのが「桜桃の味」だったので、民話的な深い世界を期待して見たら、民話的なテーマかもしれないけど、この映画はとっても日常的でコミカルな映画でした。何より、イランの人たちの普段の生活や結婚観というものが垣間見られて…
この年のカンヌで今村昌平「うなぎ」とパルム・ドールを2作品で受賞した、その片方。 見てよかった。人生って何?を暖かく諭そうとする、昔話みたいな映画。 会話から、ここはイランの首都テヘランのどこかだと推測されるんだけど、どこまで行っても草木の…
いやー変な映画だった。 新しいBoy meets girl映画、と言われれば確かにそうだ。 少年少女時代に恋をする異性って、まるで異星人のように新鮮。全然予想も理解もできないけど、目をそらせることができないくらい、輝いてて美しい。という意味で、この映画自…
カナダとスペインの映画、とある。あまり接点がなさそうに見えるんだけどな。 そしてジェイク・ギレンホールが主演。相変わらずの目力。この人ほんと、変な映画好きだなー。日常のなかの非日常。平凡な生活に隠れていた謎。とか。自分で何かを引き起こすんじ…
胸の奥にしみる。中南米的なやわらかい情緒が。 初めてこの映画を見たのは多分2000年代だろうな。バブルの時期にサンバ・カーニバルだのカリビアン・カーニバルだのといったイベントを野音とかでばんばんやってた頃にこの地域の音楽に出会って、なんでこう琴…
本当にあるのでは?あるのかも?とぞっとする映画でした。 実際には逃げ出す間もないのかもしれず、こんなにドラマチックな逃亡劇が繰り広げられることはないのかもしれません。特殊な兵器や怪獣やサイコパスは出てこないし、超常現象も起こりません。世が世…
美しい映画だなぁ。おそらく監督の美意識なんだろうな。エティエンヌが訪ねて行く家の外径が美しい。エティエンヌを演じるグザヴィエ・ドランの表情も、彼を愛するマルティンの大きな青い目も。こういう、激しいものが何もなく、何もかもたゆたうような映画…
ああ、ひどい映画だ(嬉しそうに) ロバート・ロドリゲスの世界だな。 これもガエル君おっかけで見ましたが、「ハッピーエンディング」と真逆の、冷血非道の麻薬王の役です(笑)。あの映画とは発声も違う。幅広いなぁ。「天国の口」で一緒に出てたディエゴ…
スペインとメキシコの合作映画なんて素敵です。想像がつかないから。 主役の女の子のちょっぴり濃い容貌も、不思議な造形の要請がスペイン語でしゃべってる感じも、ワクワクします。それにしても軍人の描写は戦争映画みたいに最初から残酷だけど。(この辺が…
ジョージア フランス イギリス ドイツ合作映画で、イランからヨーロッパに亡命している監督がジョージアで撮影した作品・・・という、極東の島国の私には理解するのが難しい状況で作られた作品。言語は何語?と思ったら、キャストは現地ジョージアの人たちで…