映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヨーロッパ映画(80年代まで)

クシシュトフ・キェシロフスキ 監督「殺人に関する短いフィルム」3059本目

しょっぱなが怖い。愛猫と暮らす私にはキツイ映像が続いて、キェシロフスキ監督ってこんなの作る人だったっけ?と思いながら、しばらく殺伐とした映像を見ていると、3人の登場人物たちが、最も望ましくない形で出会う。”殺人者”が本音を語り始めて、人間らし…

テオ・アンゲロプロス監督「霧の中の風景」3058本目

これもずーーっと見たかった。久々にTSUTAYA店舗に行ったので希少DVDをレンタル。 アンゲロプロス監督作品は、大人が出てくるイメージがあったので、あれ?ヴィクトル・エリセ?(それは「ミツバチのささやき」) いろんな人がいる。伯父さんは悪い人じゃな…

ルイス・ブニュエル監督「銀河」3056本目

毎月あれほどDVDをレンタルしていたのに、U-NEXTに加入してからもう何か月も一枚もレンタルしてない…そしたらTSUTAYAから「新作でも何でも5枚レンタル無料!」クーポンが来ました。そういうことならVODに入ってない作品を借りに行っちゃうぞ、ということで渋…

マリオ・バーヴァ 監督「血ぬられた墓標」3045本目

アメリカ映画と書いてあるけど、どこから見てもイタリアン・ホラーだなぁ。「サスペリア」を思わせる大げさではっきりした表情や、ドロドロなのにちっとも暗くなくて、なぜかさっぱりした感じさえするところも。ジャケットが往年の東宝怪獣映画みたいなのが…

トニー・リチャードソン 監督「トム・ジョーンズの華麗な冒険」3024本目

むかしの映画で18世紀~19世紀を舞台にしたものって、賑やかだけどそれほどきらびやかでなくて、ちょっと入り込みづらい。この作品が、制作当時の1960年代のロンドンを舞台にリメイクされてたら、きっと「アルフィー」みたいな、今見るとまさにオシャレ!な…

フランソワ・トリュフォー監督「華氏451」3023本目

U-NEXTでリメイクが公開されたり、「100分de名著」で取り上げられたりしたばかりなので、見てる人も多いかな。「~名著」講師が番組で「映画が素晴らしかったので研究を始めたが、読んでみたら原作より映画の方がよかった」とぶっちゃけトークをしてたくらい…

ジャック・ドゥミ監督「ローラ」3018本目

アヌーク・エーメの若かりし姿。彼女が「男と女」で見せる「んふ」っていう笑いが素敵だったのですが、この作品ではちょっぴり若すぎるかな。日本のタレントのローラに似てるかも、目鼻立ちが大きくて話すと子供っぽい感じが。この作品ではむしろ、少女セシ…

ヤン・シュヴァンクマイエル監督「アリス」2998本目

ヤン・シュヴァンクマイエルの作品は2本見ていて、「独特の美学に目を奪われるけど好きってわけじゃない」などと感想を書いてました。この作品はわりととっつきやすくて、可愛らしさや子どもらしさが感じられる方だと思います。 造形作家の個展を見てるよう…

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督「第三世代」2993本目

この作品は大人の男女が多数でてきてまともな会話を交わしたりするので、一見すると群像劇とか人間ドラマみたいな普通のジャンルの作品に見える。でも、誰かが会話してる裏で他にも聞き取れるほどの会話が常時流れ続けていたり、なんだかわからない効果音が…

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 監督「13回の新月のある年に」2992本目

1978年の作品。ファスビンダー監督って、今ほんと見るのが難しいのでつい最近まで見たことがなかったけど、最近図書館めぐったりしてがんばって見てました。が、これはどこにもなかった。ソフト化されてないこういう映画を追加してくれるからU-NEXT…(涙) …

ジャン・リュック・ゴダール監督「ワン・プラス・ワン」2985本目

ゴダールが撮ったストーンズのブライアン・ジョーンズの映画があるようなので、さっそく見てみる。 この間ザ・バンドのドキュメンタリーを見て、その元になったロビー・ロバートソンの自伝も読んだばかりで、その中にブライアン・ジョーンズとの出会いも出て…

ジガ・ヴェルトフ集団(ジャン・リュック・ゴダール等)監督「ブリティッシュサウンズ」2984本目

ジガ・ヴェルトフ集団って何だろう、なんでフレンチがブリティッシュの映画を撮るんだ、など何もわからないけど気になるので見てみます。この映画は1969年の作品。全編が英語です。なんか「三島由紀夫 VS 東大全共闘 50年目の真実」の続きでも見てるような気…

ヴィム・ヴェンダース監督「666号室」2983本目

これもまた珍しい作品。1982年5月のカンヌでヴィム・ヴェンダース監督が他の映画監督に行ったインタビュー集ですって。今は亡き監督も多く、なんかすごく貴重なものを見せてもらうかんじです。(作品名といい、オープニングの暗い音楽といい、「シャイニング…

ジャック・タチ監督「パラード」2981本目

ジャック・タチの映画は8年前、2013年に一気に何本も見たっきりになってる。なかなか見られないものも多くて…。DVD化されなかったこの作品をU-NEXTが今週から配信するという宣伝を見て、さっそく見てみることにしました。 ジャック・タチって、ボードヴィル…

イングマール・ベルイマン監督「沈黙」2980本目

2013年に初めて見たベルイマン監督作品かな、確か。そのときはまったく入って行けず苦労したのですが、その後メジャーなベルイマン作品を何本も見たので、改めて見直してみます。 最初見たときは、なんともいえずむせ返るような圧迫感があって、息苦しかった…

ケン・ローチ監督「ケス」2973本目

こういう作品も見られるからU-Nextはありがたい。 ちっとも古く見えないのに、 なんと1969年の作品。(街角に停車してる「ミニ」の型が古いのと、バンドが演奏してる音楽が懐メロすぎることくらいしか気づかない)ビリー少年は実は私よりだいぶお兄さん、そ…

サルヴァトーレ・サンペリ 監督「青い体験」2971本目

頭使わなくていい映画が見たくなって、これを選んでみました。 この監督はこういう映画ばっかり撮ってたみたいだなぁ。セクシー・コメディっていうのかな。家政婦ラウラ・アントネッリ、キュートですね。 ぱっと見、セクシーというより可愛い。ヴィスコンテ…

ベルナルド・ベルトルッチ監督「暗殺のオペラ」2963本目

<映画も原作もネタバレ> 思うところあって見終わったあとすぐに原作のボルヘス「伝奇集」を借りて読んでみた。びっくり。原作はわずか5ページの「裏切り者と英雄のテーマ」という短編。しかもボルヘスが「こんな物語を思いついた」と書いたところでもう最…

ジェームズ・アイヴォリー監督「モーリス」2960本目

今日のE.M.フォースター特集、最後の作品。原作は、作者の死後に出版された禁断の小説です。 といっても愛に目覚めた相手と共に生きようとするのか、それとも世間的に自分にふさわしい相手を受け入れるか?という命題は共通してるようにも思えます。相手の奔…

ジャン・リュック・ゴダール監督「勝手にしやがれ」2943本目

英語のタイトル「Breathless」はフランス語の直訳なのね? 前に見たときは感想を書かなかったみたいだけど、ジーン・セバーグが「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン!」って言いながら新聞を売り歩いてたのがカッコよくてキュートで、もうそこだけ一生忘…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「郵便配達は二度ベルを鳴らす」2935本目

リメイクを2本ともだいぶ前に見たあとなので、楽しめるか不安だったけど、イタリアの野性味あふれるジーノと彫りの深いジョヴァンナ、小太りの夫、というキャラクターがわかりやすくチャーミングで、すぐに物語に入り込んでいけます。 家庭でくすぶってる主…

ロビン・ハーディ監督「ウィッカーマン」2946本目

<ネタバレあります、2006年版まで。これから見る人は読まないほうがいいかも> 「ミッドサマー」、ニコラス・ケイジが主演の2006年版と見てきたので、当然これも見なければですよね。2006年版は作りがアメリカ的で、ストーリーの説得力を補強していますが、…

クロード・オータン・ララ監督「赤と黒」2944本目

昔「ひとりジェラール・フィリップ特集」をやったときに見たけど、この間宝塚版を見たので改めて比較のために見てみます。今度はデジタル・リマスター版。 完全無欠の王子様キャラが実在した!と初めて見たときに驚きましたが、今は同じくらいパフスリーブの…

マイケル・パウエル監督「血を吸うカメラ」2938本目

殺人カメラマンが被写体に選んだ女優の赤い髪、細い体、お人形みたいな大きな目…やっぱり「赤い靴」の人でした。 この映画って”アイデア一発勝負”なんだけど、思い付きを現実に近づけるための作りこみがあまいところがあって、せっかくのしつらえにして全然…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「イノセント」2933本目

この作品は、なんでいつも正装してるんだろうというくらい、豪華なドレスだらけで男性はほぼ常時白の蝶ネクタイ。冒頭からおなかいっぱいになるくらいお金かかってます。 でも、ここで描かれているのは極めて普遍的なテーマなんですよね。タキシードを着てい…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「家族の肖像」2932本目

興味深い新作が次々と公開されるのをしり目に(お金ないし)今誰も見ないような微妙な作品を見続ける日々‥‥ この作品は冒頭クレジットにフェンディとかイヴ・サンローランとかの名前が次々に出て、もうそこからして貴族的(笑)。ヘルムート・バーガーの斜に…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「夏の嵐」2926本目

ヴィスコンティ監督の作品は「美学」というしかないような監督の美意識がムンムンしてる。宝塚なみの濃さ。 アリダ・ヴァリは「かくも長き不在」を見てしまったので情念の女のイメージが強いんだけど、こんなに若い頃から、むせ返るような一方的な情愛で画面…

ペドロ・アルモドバル監督「マタドール<闘牛士> 炎のレクイエム」2904本目

ペドロ・アルモドバル監督初期の、ちょっと暗くて重めタイプの作品。監督の作品には死はわりとつきものなんだけど、同じように作品につきもののユーモアは控えめ、というか、あまりありません。(といっても、死に暗さが全然ないのはいつもと同じ) ショーの…

テレンス・ヤング監督「夜の訪問者」2896本目

私の世代には「う~ん、マンダム」で知られた男くささの権化チャールズ・ブロンソンが、フランス語をしゃべってスウェーデンのリヴ・ウルマンと共演してるって、どういうこと?監督のテレンス・ヤングは上海生まれだけどイギリス人。原作もイギリスなのにな…

ジョルジュ・パン・コスマトス 監督「カサンドラ・クロス」2868本目

<ネタバレなどいろいろあり> この映画は「地獄の黙示録」や最初の「スターウォーズ」とともに、小さい頃映画館に見に行った映画として私の映画史のなかでサンゼンと輝いてるので、いつか見直したいなーと思ってました。 今見ると、ヨーロッパ名優大集合で…