ヨーロッパ映画(80年代まで)
冒頭の音楽が、ライ・クーダーみたいなスライドギターになってる。(クレジットの隅々まで見たけど名前はナシ。まだ監督とミュージシャンは出会ってないのかも)それ以外も、ガラガラな一本道をトラックで走りながら、ずっとアメリカっぽい音楽が流れてる。…
3部作の2つ目。 これがデビュー作のナスターシャ・キンスキーは、当時14歳。まだ女性になりきれてない少女で、少年と言われたらそうかと思いそうなくらい。でも目力がすごい。これはクラウス・キンスキーから受け継いだ目だなぁ。初めてパパの方を見たとき…
「まわり道」を見かかって、やっぱり時系列順に見ようと思ってこっちを先にすることにしました。 一瞬、ジム・ジャームッシュの初期の作品みたい?と思ったけど主役のキャラが違う。どう違うかというと(※自分の過去の映画経験にもとづく偏見に満ちた洞察)…
「ラルジャン」の底のない悪の連鎖が印象に残るブレッソン監督。この作品はぱっと見、暗く難しげに見えたけど、徹底して淡々と脱獄に至る日々を描いていて、本当に日記のようでした。日々のリズムが単調なのもリアル。実話と思えないくらい管理がザルな監獄…
ドキュメンタリーなので比較的新しい作品ではあるけど、1975年なのでもう50年も前です。中年の夫婦が「1925年に生まれた」と話してたりすると「ん?」と思うけど、今ご存命なら97歳だ。取り上げられたお年寄りたちはもとより、中年の人たちもほとんど生きて…
タイトルは、この映画に出てくる夫婦の夫のほうの生まれ育った町の名前らしい。映画ビジュアルの、男女の顔が重なってる写真、完全に「写真美術館」に展示されてる往年のフォトグラファーの作品に見える。彼女のビジュアルセンスは卓越してるよなぁ。デザイ…
冒頭の60秒間の、まぁなんてスタイリッシュなこと。何度も見ちゃった。くわえタバコでやさぐれたジャンヌ・モローからすごい速さで遠ざかっていくカメラ、ミシェル・ルグランのドラマチックなピアノ。(最初クイーンの「セブン・シーズ・オブ・ライ」イント…
年を越えて「ひとりジャック・ドゥミ/アニエス・ヴァルダ特集」は続く。 この作品は「ジャック・ドゥミの少年期」で彼が作っていたロマンチックなアニメーションの実写化という感じ。内容はディズニーワールドです。ジャック・ドゥミって映画監督にならなか…
タイトル通りの、若くて美しい夫婦と可愛い子供たちの愛情あふれる時間から始まります。絵に描いたような幸福。…でも幸せってなんだっけ? <ネタバレあります> 夫にとっての幸せは、愛する家族のほかに、素敵な女性との新しい出会いと恋にときめいていると…
<結末にふれています> コロナ禍のひきこもりに疲れて、熊本一泊しています。なんとなく立ち寄った「熊本市立現代美術館」の上映会(無料)で、こんな珍しいものをやっていたので、県民のみなさまに混じって見てきました。 ゴダール苦手だし、DVD売り切れ、…
ヴェンダース監督の長編第一作らしい。流してみてると流れてしまうけど、よく見ると変な映画だ。 ゴールキーパーは審判にいちゃもんをつけすぎてレッドカード退場、スタジアムが交通不便な場所にあったので地元のホテルに泊まって、映画館に行ったり、その辺…
<ネタバレあります> あの「恐怖の報酬」のクルーゾー監督。追い詰めるようなスリルを演出させたら、右に出るものはありません。 この作品ではシモーヌ・シニョレvsヴェラ・クルーゾー(まだ監督と結婚する前だけど)という構図があって、ヴェラの悪い夫は…
性懲りもなく、またシックな窃盗団が強盗に励んでいます。今回は「峰不二子」役のロッサナ・ポデスタ嬢が中心。欠点のない顔立ち、豊満な体つき、なにかモニカ・ベルッチを思い出します。ここまで来ると「バーバレラ」byロジェ・ヴァディムっぽっくなってき…
軽妙でシックな窃盗グループの大冒険、じゃなくて窃盗事件。よく見るとなかなかの大所帯ですね。中に一人、一度見たら忘れられないような美女が混じっています。ほかは手練れの泥棒たち。映画の紹介文には「日本のルパン三世が影響を受けた」と書いてありま…
名義が違うけどゴダールが監督なんですって。パロディか何かのように、シリアスな顔をした学生風の女性が、新聞や雑誌の共産主義に関する文章を次々に読み上げる。「くたばれ観念論!」なんてセリフもあるけど、この映画が観念論そのもののような…。 で、映…
なんとなくタイトルを覚えていた映画だけど、たまたま借りて読んだ山田詠美の小説の中でこの作品の中のセリフを引用してたのを見て、Amazonプライムで見つけて見てみました。イタリア映画だけど言語は英語。 最初、なんか美しいけどよく意味がわからない…と…
昔のイタリア映画ばかり見てるけど深い理由はなく、U-NEXTの「9月末で終了する作品」だから。しかしこの映画の舞台は仏領アルジェリアの独立への戦いを描いたもので、言語はフランス語だけどフランス資本で作られることはない映画。この映画にイタリアが出資…
これもパゾリーニ監督。こっちを先に見たほうがよかったかな。1964年の作品で、まだモノクロ。 「アポロンの地獄」よりずっと入りやすい映画です、なぜなら主役がジーザスだから。ざっくりとしたストーリーはわかっているし、ベースが聖典だから、立体になっ…
この監督の作品は初めてかな。 ギリシャ神話のお話なのに、現代的なアパートの一室で始まり…母を演じてるのはアリダ・ヴァリでした。イタリア映画って重厚なものが多い気がする。イタリアに行くと街中の彫刻とか建物とかがびっくりするほど大きいのも、イタ…
「自転車泥棒」をだいぶ前に見た。この作品もまた、真面目な人間が世の中に守ってもらえない話なんだけど、恩給をあてにして自分ではまったく貯金してこなかったのかな、贅沢するようには見えないのに。この頃は子どもをたくさん産むから、誰かが養ってくれ…
1936年に作られた、フランスの巨匠未完の短編、だそうです。パリから馬車でやってきた郊外の川辺のレストラン。ブランコで子どものように遊ぶ母と娘。草の上の昼食‥‥まさにルノアールの絵画の世界。彼の絵の裏には、この映画みたいに、都会から郵便馬車を借…
U-NEXTの「この映画を見た人へのオススメ」で出た。この斬新な難しいのかバカなのかわからないタイトル。なぜか「死霊の盆踊り」を思い出して「快楽の漸進的盆踊り」と連想してしまうけど、どんな問題作なんでしょう、アラン・ロブ・グリエ先生。 アニセー・…
テーマ曲がすごく有名。オルフェウスとユリディスの古典をカーニバル中のブラジルに置き換えたらしい。オルフェウスの軽妙な好青年ぶり、ユリディスの清楚さ、彼を愛するミラの妖艶さが魅力的。 それにしても、ブラジル人って日系人がいたりアイルトン・セナ…
お化け屋敷的エンタメ映画。自殺に見せかけた、車いすの老婦人が殺害され、その殺人犯が直後に殺害され…。グラマー美女のヌードやセミヌード、70年代の日本のドラマのような音楽。だんだん、誰が何のために殺人をしてるのかよくわからなくなってきて、最後は…
以前の勤め先に外語大のポーランド語学科を出た同僚がいて、なぜポーランド語を専攻したんだろう、まだ17-8の子どもの時点で、と思ったことがある。すでに「惑星ソラリス」やキェシロフスキ監督の映画に出会って、人生変えられたのかな。…と思うくらい(つま…
しょっぱなが怖い。愛猫と暮らす私にはキツイ映像が続いて、キェシロフスキ監督ってこんなの作る人だったっけ?と思いながら、しばらく殺伐とした映像を見ていると、3人の登場人物たちが、最も望ましくない形で出会う。”殺人者”が本音を語り始めて、人間らし…
これもずーーっと見たかった。久々にTSUTAYA店舗に行ったので希少DVDをレンタル。 アンゲロプロス監督作品は、大人が出てくるイメージがあったので、あれ?ヴィクトル・エリセ?(それは「ミツバチのささやき」) いろんな人がいる。伯父さんは悪い人じゃな…
毎月あれほどDVDをレンタルしていたのに、U-NEXTに加入してからもう何か月も一枚もレンタルしてない…そしたらTSUTAYAから「新作でも何でも5枚レンタル無料!」クーポンが来ました。そういうことならVODに入ってない作品を借りに行っちゃうぞ、ということで渋…
アメリカ映画と書いてあるけど、どこから見てもイタリアン・ホラーだなぁ。「サスペリア」を思わせる大げさではっきりした表情や、ドロドロなのにちっとも暗くなくて、なぜかさっぱりした感じさえするところも。ジャケットが往年の東宝怪獣映画みたいなのが…
むかしの映画で18世紀~19世紀を舞台にしたものって、賑やかだけどそれほどきらびやかでなくて、ちょっと入り込みづらい。この作品が、制作当時の1960年代のロンドンを舞台にリメイクされてたら、きっと「アルフィー」みたいな、今見るとまさにオシャレ!な…