ヨーロッパ映画(90年代以降)
ケン・ローチに対して、リスペクトがある一方、そうは言ってもオックスフォードを出てBBCの社員になった人でしょう?という穿った気持ちも少しあった。この作品の中で、BBCがチャンネルを増やした時に増員が必要になって、労働者階級の人たちもたくさん雇わ…
タイトルとビジュアルだけ見て、アンジェラという人が戦禍で灰になって残された小さい子供がカメラを睨んでる辛い映画かと思ったら、死んだのはアンジェラの子どもたちだった。 アラン・パーカーって「小さな恋のメロディ」~「フェーム」~「ザ・コミットメ…
<結末にふれています> 私の大好きなナオミ・ワッツと「コングレス未来学会議」のロビン・ライトか。監督は女性。彼女がオドレィ・トトゥで撮ったココ・シャネルの映画はピンとこなかったけど、この作品はどうだろう。 ナオミ・ワッツ演じるリルとロビン・…
2002年の作品。エルミタージュって、写実的な名画を集めたクラシックな美術館なんだな。ソビエトになる前の貴族趣味の東ヨーロッパ。私は世界史をちゃんと勉強したことがないし、美術史もあまり知らない。比較的新しい美術作品を見るほうが楽しいほうなので…
<内容に触れています> U-NEXTでもAmazonプライムでも字幕付きで公開中だけどKINENOTEには情報がない。これは紛れもなく”映画”だけど、日本で劇場公開かビデオスルーされないものは載らないんだよな~。VODも混ぜてやってください是非。 ギャラリーで展示中…
この邦題、原題の直訳なのでしょうがないけど、第一印象は、なんかあんまり面白くなさそうなタイトルの典型みたいで・・・。原作はヴェンダース監督と何度も組んでるノーベル賞作家ペーター・ハントケなのに。 そして鑑賞前におなじみのレビュアーの方々の感…
先日見た「ニトラム」を思い出しながら見ます。アイスランドもタスマニア島も、欧米社会のなかでは辺境中の辺境。人種差別や女性差別といった、世界の他の地域でテーマになりがちなものではなく、ムラ社会のなかで孤立していく同じ属性の人々の中の「違い」…
面白かった! おバカコメディなんだけど、大変テンポが良くて、笑える以上の充実感があります。さすがのエドガー・ライトなんだけど、なによりサイモン・ペッグがいるだけで可笑しい。それに、名前を知らないイギリスのおじさんおばさん俳優たちの演技のうま…
ゲルハルト・リヒターのことは全然知らないんだけど、今初の日本での展覧会が行われていて、明日にでも行ってみようと思ってるというので予習のために見てみます。 感想。映画としてすごく面白い良作でした。主役のトム・シリング、ティモシー・シャラメのよ…
このテーマの作品、けっこう見てるな。アレックス・コックスの「シド・アンド・ナンシー」、レック・コワルスキーの「D.O.A.」。 ナンシーが20歳で亡くなったのは1978年、シドは21歳で翌年亡くなった。安全ピンや破れたTシャツの”ロンドン・パンク”が終わっ…
冒頭に流れる歌がパワフルで、ヴァン・モリソンみたい、と思ったら当人だった。ちょっと声が細くなったな。頑固で純粋な彼のキャラクターが北アイルランドらしさなのかな。 広がるヨーロッパらしい風景、まだ見ぬベルファスト。言葉はアイルランドなまりで、…
今夜ひさびさに、華々しくも、にぎにぎしくも、スパークスのライブを見に行くという折に、U-NEXTで見られるようになったので、再見します。 兄弟の両親のことや、小さいころの写真、バンドを始めた初期のこととか、衝撃だったなぁ・・・。インタビューを受け…
サブタイトル長いよ~ それに、映画で描かれてる現実はとても複雑なのに「悪い政府vs民間のいいやつら」という二元対決に持ち込んで単純化しようとしている。こういうのは好きじゃないなぁ。 この「正義の声」という施設は、他のどの施設からも断られた重…
<ネタバレあります> ブランカニエベスはスペイン語の「Snow White」=白雪姫か。スペイン語の響きは魅力的だけど、どういう映画かわからずうっかり見逃してしまいそうだったので、邦題は「白雪姫とこびと闘牛士団」とかのほうがいいような気もします。 ス…
<ネタバレあります> 日本では、人の名前の映画タイトルが、風景とか状況を表現したタイトルになることがちょくちょくある。もともと邦画は「丹下左膳」みたいな既知の英雄や「横道世之介」みたいに特異な名前でもなければ、タイトルに人名が使われることが…
たまたまテレビで見た。そういえばこんな映画あった。 全体的に、おもしろくも新しくもないのが残念。ちっともリュック・ベッソンっぽくない。彼が自分で「レオン」の焼き直し版を作りたいと思うわけがない。日本の誰かが「お金を出すからこの女の子で『レオ…
監督がやっと自分のことを語り始めた。完結編「アニエスによるヴァルダ」に至る前の、自分の生い立ちを振り返る作品だ。これもまた彼女の愛するものたちを散りばめた、宝物のアルバムみたいな、優しくてかわいくて美しい作品。 いつものように、映画のあちこ…
ポランスキー監督の作品も、新作はだいたい映画館で見てる。園子温やウディ・アレンの作品も、反感持ちつつよく見てる。人格と作品は別と割り切ってるというより、いろいろな観点で語弊があると思うけど、アール・ブリュットの作品に惹かれるように、彼らだ…
「ベニスに死す」を見直したとき、「自分の中の美醜の価値観が試される映画」って感想を書いた。今まで美しいと思っていた人たちより美しい人がいるんだ、という感覚。 「ミッドサマー」は強烈な映画だったけど、見た後で彼が出てたと聞いて、すぐ、あの老人…
エンディングが感動的だ。ヌレエフがおそらく最盛期の頃に公開インタビュー番組に出演したときの、彼の登場で、鳴りやまない拍手に彼が陶然とした表情を浮かべる。その後はエンドロールとともに、この映画で取り上げたバレエ公演の映像ダイジェストを、出典…
すごいなと思うけど「いいな」と思ったことのないシュヴァンクマイエル作品をまた見てしまうのは、”怖いもの見たさ”以外の何物でもない。木でできた赤ん坊って…「アネット」かよ!(ちょっと違う) チェコスロバキアのスロバキアのほうは絵本の国、ファンタ…
昨日も病院で悪玉コレステロールをなんとかしろと言われたばかり・・・。衝動的にステーキをUBERしたりしないよう、食後に見ました。 まあまあ長く生きてきたので、神戸のとろける霜降りステーキも食べたし、フィレンツェで柔らかくて味のいい赤身のTボーン…
<ネタバレあります> この監督の「ミッション8ミニッツ」は見てたけど、デヴィッド・ボウイの息子の、あのゾーイだとは知らなかった。「8ミニッツ」も良くできた面白い作品だと思ったけど、これもまた引き込まれました。 サム・ロックウェルの、普通にや…
アンソニー・ホプキンスとオリヴィア・コールマン。 私の父も認知症になってしばらく病院や施設にいたので、もうしょっぱなから「ああ~~、そうそう」。記憶と想像と思考の区別がゆるやかになっていくので、世話をしてくれている人が自分のものを盗んだとか…
先日ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリンのリュミエール(原題は「スクラダノフスキー兄弟」)」というミスリーディングなタイトルの映画を見て、本物のリュミエールのことも知りたくなって見てみました。 1860年代生まれの「映画の父」(父と伯父、か?)…
これも淀川長治氏ご推薦。ベルトリッチ作品も見てないのがたくさんある。解説を見てこれは「ドリーマーズ」みたいな作品かと思ったら、舞台となっているトスカーナの風景がゆったりとして素敵な雰囲気の中で、マリファナなど回しながら、親世代の人たちと主…
「アネット」に続いてこれも初日に見てきました。でも劇場の観客はパラパラ。あっちはアダム・ドライバーやマリオン・コティヤールが出てるし、カンヌで受賞してるし、上映館が少ないのでけっこう埋まってたけど、こっちは人気のあるバンドでも難しい音楽ド…
ヴェンダース監督の作品、意外と見てないのが多い。 主役のジェームズ・フランコは「トゥルー・ストーリー」の悪いやつか。ダニー・ボイルの「127時間」で耐え抜いた彼でもある。恋人はレイチェル・マクアダムス、事故の被害者の母はシャーロット・ゲンズブ…
「クラスに一人はいる変わり者のみなさーん」と、スパークス初来日公演(確か)で岸野雄一は観客に話しかけた。…確かにスパークス好きは変な人が多い。「ハーフネルソン」時代からアルバムは全部持ってるし来日公演はフェス以外全部行ってる(※FFSまで見た)…
劇場公開は2022年5月6日だけど、NHKBS1で放送したものを録画して3月27日に見た。(Netflixみたいな感じ)メイキング映像まで見たよ。 クルド人問題だけでなく、近代史や政治には相当うとい私ですが、「風の電話」に出てくるクルド人の町は見たし、クルド料理…