映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヨーロッパ映画(90年代以降)

ウディ・ハレルソン監督「ロスト・イン・ロンドン」3317本目

一発撮りの生中継映画か。大変に決まってるけど、前人未到のことに挑戦するのはどんなことでも面白そうです。ウディ・ハレルソンってなぜか「悪い警官」ってイメージがあって、出てないのにツイン・ピークス警察にいたような二面性のある人って思い込んでま…

シェーカル・カプール 監督「エリザベス ゴールデンエイジ」3312本目

2007年の作品。もう「Golden Age」を「黄金時代」という和訳の邦題にしない時代だ。 「エリザベス」と続けて見たわけですが、本人にも止められない世界最強の女王への道をまっしぐら、メアリーを死刑にすることをもはや避けられず、スペインに開戦のきっかけ…

シェーカル・カプール監督「エリザベス」3311本目

ケイト・ブランシェットの代表作、まだ見てなかった。 歴史ものだし権力闘争がからむので、大河ドラマといえそうな作品。英国好きなのに世界史はめっぽう弱いので、勉強になります。(誇張や虚飾もあるだろうけど、史実との正誤表みたいなのも調べれば見つか…

フレデリック・ワイズマン監督「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」3305本目

製作国がフランス・アメリカになってる。名高い英国の美術館なのに。 ロンドンに半年だけ駐在していたのは、なんと、今年でちょうど30年前だ。友達もいないしやることもなく、週末は美術館ばかり行ってた記憶があるけど、テート・ギャラリー(今のテート・ブ…

アニエス・ヴァルダ監督「アニエスによるヴァルダ」3294本目

これは彼女が夫のために「ジャック・ドゥミの少年期」を作って送り出したように、今度は自分を語る作品を作ったものですね。「5時から7時までのクレオ」など、見ておいてよかった。やっとこの作品を見る用意ができました。 「少年期」があまりにも愛にあふれ…

アニエス・ヴァルダ監督「ジャック・ドゥミの少年期」3279本目

ジャック・ドゥミといえば、「シェルブール」と「ロシュフォール」と「ローラ」ですよ。対するアニエス・ヴァルダは「5時から7時までのクレオ」。なんて美しい、日本の女子たちがみんな憧れる(※若干、極論)フレンチの世界を作ってきた人たち。 この映画は…

エドガー・ライト監督「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」3276本目

<ネタバレあり> そっか、「ベイビー・ドライバー」に続いて、クラシックなポップスの楽曲がそのままタイトルになってるんだな。 カウチ映画派の私でも、これは劇場で見たかったので、時間が作れてよかった。ビビり顏のヒロイン、エロイーズ(トーマシン・…

ゲレオン・ヴェツェル 監督「世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅」3273本目

この分野に関しては、シュタイデルさんが特別だとは思えない…本を作るときに紙やインクにこだわるのって、日本では割と普通じゃないか?私が作ってたDVDでも(本じゃないけど)「特色」インクを何色まで使えるとか、透明スリーブと紙スリーブの二重構造にす…

ハーマン・ヴァスケ 監督「天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント」3271本目

これ、作品としての評価はあまり高くないみたいだけど、今は亡き人たちや、なかなか個人的な意見を聞く機会のない人たちの肉声が聞けるのがすごいです。いろんな監督や俳優の作品リストを見ると、これが入ってることが多くて…(そりゃそうだ、出演者が多いか…

ジャック・ドワイヨン 監督「ポネット」3270本目

<結末にふれています> この映画、何年も前から「見たいリスト」に入れてたけど、U-NEXTに入ってるって先週気づいた。こういうの多い。知らないうちに4Kリストアされてて、画質も新作みたいに美しい。ポネットちゃんのふわふわほっぺも鮮やかに可愛らしい…

ルビカ・シャー監督「白い暴動」3260本目

2019年制作。そんな新しい映画だったんだ。クラッシュの「白い暴動」が出たのは1977年、ジョー・ストラマーが亡くなったのが2002年だから、ごく最近になって昔を振り返って作られた作品だったんだな。(字幕監修ピーター・バラカン。正しい人選) RAR: Rock …

ヴァレリア・パリシ 監督「プラド美術館 驚異のコレクション」3253本目

ジェレミー・アイアンズの語り、いいですね。(年取ったなぁ)「インランド・エンパイア」とか「ダメージ」も見てるけど「リスボンに誘われて」の彼がよくて、そのイメージでこの映画の語りも聞こえてきます。 スペインの絵画のイメージって、ピカソよりもベ…

クロード・シャブロル 監督「沈黙の女 ロウフィールド館の惨劇」3243本目

<ネタバレあり> ペール先生42歳のときの作品。まだコワイ女が定着してない頃じゃないかな。(私は常にコワイ彼女を期待しすぎてるので、実は純な女性という役も見たくなってきた) 奥様はジャクリーン・ビセットか。若い家政婦はサンドリーヌ・ボネール。…

ダニス・タノヴィッチ監督「ノー・マンズ・ランド」 3242本目

ここしばらく、U-NEXTを離れて、TSUTAYA宅配レンタルの「見たい」リストに入れっぱなしだったものを大量に借りたのを見てます。(今朝から家のネットに障害が出てるので、ちょうどよかった)U-NEXTにもAmazonプライムにも入っていなくて、宅配レンタルでもす…

エルマンノ・オルミ/アッバス・キアロスタミ/ケン・ローチ監督「明日へのチケット」3241本目

群像劇なのかな。 急なフライトの欠航で列車にチケットを振り替えてくれた秘書に、ラブレターのような手紙を書いては消している、老齢の博士。 なにか事情があって、わがままな老婦人の世話をしながら乗っている若者。彼女は去年亡くなった将軍の妻で、若者…

ファティ・アキン 監督「そして、私たちは愛に帰る」3240本目

<ネタバレあります> トルコの現地の人たちの暮らしが垣間見られて面白い。たとえば、男も女も、白い酒を飲んでる。水を入れると白濁する、ウゾみたいな強い蒸留酒に違いない。 老人と息子、老人が惚れた娼婦の3人。彼らはドイツに住むトルコ人。息子は大学…

ケン・ローチ監督「ジミー、野を駆ける伝説」3231本目

「ジミーのホール」がどうして「野を駆ける伝説」になるんだろう。ちょっと映画の雰囲気と違っていて、むしろ日本人がアイルランドに求めるイメージにおもねたようなタイトルじゃないか?いいけど。 カトリックがいろいろ厳しいということは見聞きしてるけど…

ベネディクト・エルリングソン 監督「たちあがる女」3225本目

アイスランドが気になって、映画を見つけたら必ず見るようにしています。氷で覆われた真っ黒い溶岩でできた最果ての島。金髪碧眼の美しい人たちが、映画の中では割と突飛でどこかマヌケで、いい奴かと思ったらなかなかの問題人物だったりして、まったく掴め…

フランシス・リー監督「アンモナイトの目覚め」3220本目

<後半のストーリーに触れています> U-NEXTの”見どころ”に書かれている「ウィンスレットとローナンの体当たりの演技合戦」がセンス悪いなぁ。濡れ場のことを”体当たりの演技”っていう、使い古された常套句。映画を見るのは女優のヌード目当ての男ばかりだと…

トレヴァー・ナン監督「ジョーンの秘密」3219本目

見たい映画を旬のうちに見る癖をつけたい…これもだいぶ時間が経ってしまった。 第一印象は、すごく普通にシンプルに作った映画だなということ。ヒネリとか驚きとかを演出せず、時代の中でもがき続けた一人の普通の女性を追って、とつとつと語る作品でした。…

トーマス・ヤーン 監督「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」3218本目

割と作りがラフで、アイデア勝負の若い学生さんの卒業制作みたいな、青い感じだなと思った。瀕死なのにめっちゃ元気な二人と、完全にコメディのギャング二人。ギャグのセンスがヨーロッパっぽい。私が愛読してるレビュアーの皆さんに愛されてる作品だけど、…

ホセ・ルイス・ロペス=リナレス 監督「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」3211本目

太陽の塔の内側みたいな絵ばかり一生描き続けた謎の異才、天才というより異端、だと思っていたので、あまりに正統派的な取り上げ方がちょっと意外です。冒頭にタルコフスキーの引用があったり…。 ボスの名字の表記はドイツのボッシュ社と同じで、オランダ人…

ロン・ハワード 監督「パヴァロッティ 太陽のテノール」3209本目

これもずっと見たかったやつ。1991年7月にハイドバークで行われたハリケーンチャリティコンサートのことを、当時ロンドンに駐在していた同僚が感激してレポートに書いてきた(公園なんでどこからでも聞けたらしい)。こんな土砂降りで、ダイアナ妃がこんな風…

フレデリック・ワイズマン監督「パリ・オペラ座のすべて」3206本目

これも「クレイジーホース」と同じワイズマン監督作品。という流れもあって、同様にダンスを演じるシアターものとして延長線上に見てしまいそうだけど、パリの人たちから見たら、ヌードで踊るスタジオとオペラ座を同列に語るなんて!って怒られちゃうのかな…

イヌーク・シリス・ホーフ 監督「サウンド・オブ・レボリューション グリーンランドの夜明け」3202本目

面白い…なんて面白いんでしょう。1970年代にグリーンランドで初めて現地語でロックのレコードを出した「スミ」というバンドがあった。メンバーにも、ファンや関係者として発言する人たちにも、明らかにモンゴロイド系が多い。スカンジナビア半島やアイスラン…

フレデリック・ワイズマン監督「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」3199本目

宝塚みたいなもんかと思って見始めたので、ちょっとびっくりしました。 フランスの女の人ってこんなにキレイなのかー、など戦後の小学生のような感想を書きそうになるくらい(書いた)、ほんとに美しいですね。同じ女性というのもおこがましい、多分違う生き…

マッツ・ブリュガ― 監督「誰がハマーショルドを殺したか」3186本目

1961年に国連事務総長が乗った飛行機が落ちたのか。衝撃的だな。平和の使者のような人が…と思うけど、大きな利害が彼にかかっている人もいたのか。 監督が映画冒頭からインチキ臭い、という理由で、内容もマユツバものかなと感じさせるけど、見せ方が取材さ…

ピエール・デュシャン監督「ノーマ、世界を変える料理」 3170本目

日本で期間限定レストランをやったドキュメンタリーを見たので、これも見たくなりました。お父さんがマケドニアから移住してきたアルバニア系イスラム教徒なんですか。名前でも見た目でも北欧の人かと思ってた。この作品では差別を受けながら育ったことも語…

モーリス・デッカーズ監督「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」3169本目

世界一のレストラン、か…。憧れる気もするけど、ナイフとフォークも箸も上手に使えなくてマナーも適当だし、だいいち最高の味の最高さなんて私には多分わからないんだろうな。そんなすごい店が東京に一時開店してたことも知りませんでした。多分、お客さんは…

ヨアキム・トリアー監督「母の残像」3162本目

ユペール女史の出演作品を片っ端から「マイリスト」に入れておいたのを、ときどき思い立って見てみます。この映画は英語だけどノルウェー、フランス、デンマーク、アメリカ合作とのこと。 イザベル(役名も)を亡くした夫を演じてるのは、見たばかりの「ミラ…