映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

日本映画(90年代以降)

ホウ・シャオシェン監督「珈琲時光」3051本目

動かないロード・ムービーみたいな感じ。20年近く前の作品なので、携帯は折りたたみ式でネットにはつながらない。喫茶店で人は本を読んだりPCを広げたりして、待ち合わせは携帯で話す。JRの駅まわりが、なんとなく古めかしい。浅野忠信がびっくりするくらい…

レオス・カラックス監督「ホーリーモーターズ」3046本目

映画ばっかり見るようになった頃に映画館で見て「なんじゃこれ?」と思った作品。VOD無料枠に降りてきてたので、再び見てみる。久々の次作「Annette」の公開も始まってるらしいし(日本以外では。いつみられるんだろう私は)。ドニ・ラヴァンは出てるんだろ…

崔洋一監督「月はどっちに出ている」3044本目

この映画、好きだったな。方向音痴のタクシー運転手に「月はどっちに出ている?月の方に走ってこい!」って、事務所の人が指示を出すの。ちょいちょい、場面切り替えにこの運転手が出てきては、アサヒビールの金のオブジェやら、富士山やら、迷いようのない…

武正晴監督「アンダードッグ 後編」3043本目

(後編)北村匠海って俳優を知らなかったんだけど、天才ハッカーみたいな雰囲気があって面白い。 しかし後半は、スリリングだったのは彼と車いすの男のからみまでで、あとは試合を盛り上げるために費やされて、ことさら新しいことはないし、群像劇かと思った…

武正晴監督「アンダードッグ 前編」3042本目

(前編)監督は「百円の恋」の武正晴。脚本は負け犬をリアルに描かせたらいま多分日本一の、「喜劇・愛妻物語」の足立紳(百円の恋も)。まず、ボクシングの場面がとてもリアルでいいです。森山未來の反射神経すごいけど、勝地涼のファイティングスピリット…

本田孝義 監督「モバイルハウスのつくりかた」3037本目

せっかく映像があるのに、自分の考えを伝える上で何か図示するわけでも別の映像をはさむでもなく、ただひたすら「モバイルハウス」を作りつつある映像と、彼の主張が続く映画でした。なんか違和感があるのは、最初から最後までこの坂口恭平という人がしゃべ…

小栗康平監督「死の棘」3035本目

これもずっと見たかった。島尾ミホ原作「海辺の生と死」の映画を見たときからかな?この作品にしろ「智恵子抄」も、本当に純真に生きてきた女性が夫に裏切られて(必ずしも女性関係とは限らない)深く傷つくと、狂おしくなっていくのかもしれない。こんな言…

阪本順治監督「闇の子供たち」3033本目

宮崎あおいが出てる、悲惨な内容の映画…と思ってちょっと敬遠したまま今まできてしまったけど、いろんな映画をその後たくさん見てきたから、もう耐性が付いたかなと思って、見てみることにしました。 阪本順治監督だから、露悪的じゃなくて怖くはなかった。 …

湯浅弘章 監督「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」3026本目

原作者の押見修造に浦沢直樹がインタビューする「漫勉」って番組をたまたま見たら、この映画を見てみたくなりました。映画かNHKばっかり見てる。 吃音って苦しいと思う。私はいつも、あたまで考えることが先走って口がついていかないから、何か言いたいこと…

青山真治監督「空に住む」3020本目

多部未華子が両親を急に亡くしたかわいい編集者で、岩田剛典が人気急上昇中のイケメン俳優で、二人とも「誰もが憧れるタワーマンション」に住んでて、エレベーターで出会ってなんとなく付き合い始める…韓流ドラマか?最近は日本のドラマでここまでベタな設定…

沖田修一監督「モヒカン故郷へ帰る」3007本目

こういうすっとぼけたテーマで撮らせたら、ほんと生き生きするなぁ、沖田監督。(大体いつもこんなのだけど)ひょうひょうとした離島出身のモヒカンに松田龍平でしょ。ちょっと可愛いけど「あたし頭わるいんで、ちょうどいいかなって」というカノジョに前田…

沖田修一監督「おらおらでひとりいぐも」3006本目

原作は未読。沖田修一の映画なのでわりと期待して見てみました。 冒頭の先史時代のCGは、どんな制作会社のロゴかと思ったらこの映画のはじまりだった。もう、そこから、この映画はシリアスに見るもんじゃないと言われてるのと同じです。 好き嫌いあるだろう…

石井輝男監督「ねじ式」2997本目

「ゾッキ」を見たら、なんとなくこの映画を思い出したので見てみました。(なんで思い出したんだろう?私が思い出したのはもしかして「無能の人」の方かも。これもそのうち見直してみよう) 見始めてみたら、最初におどろおどろしい「舞踏」の人たちが出てき…

竹中直人・山田孝之・斎藤工監督「ゾッキ」2994本目

こういうのを「エモい」って言うんですかね?「音楽」にドハマリしたので、同じ大橋裕之が原作のこの映画にも期待して見に来ました。(監督でも役者陣でもなく。このルートを辿ってくるのは多分王道ではなさそう)結果、じわじわ好きです。 ダメとまでは言い…

白石和彌監督「凪待ち」2991本目

たまたまお話をした人が、この映画のエキストラをやったと言っていたのを聞いて、どこに出てるかわかるかな?と思ってふたたび見てみました。 エキストラが出てるとしたらお祭りの場面だろうな。(スナックの客の役もありうるけど)浴衣を着ていたり着ていな…

滝田洋二郎監督「北の桜守」2990本目

<結末にふれています> 吉永小百合が過去の映画について語るインタビュー本を読んで、見てみたくなった1本。この映画は、インタビューと公開時期が近いので、制作裏話なども詳しく書かれていました。「北の」シリーズは吉永小百合自身がプロデューサーのよ…

牧原亮太郎 監督「屍者の帝国」2988本目

フランケンシュタインだから、ゾンビじゃなくて「屍者」なんだ、今回のテーマは。面白そうじゃないですか。絵も美しいし、嫌いじゃないなぁ、この世界。設定がグッときますよね、伊藤計劃の作品は。わずか2.5長編しか残さなかったけど、これハリウッドでCG実…

なかむらたかし監督「ハーモニー」2987本目

割と面白かったよ。 「虐殺器官」のほうは、原作を読んでたからか、文章よりわかりにくいような気がした部分が気になったけど、こっちは0から映像で見られたのでよかったかも。 トァン、ミァハ、キアンという3人の女子たちがなかなか魅力的。(私の耳にはト…

村瀬修功 監督「虐殺器官」2986本目

原作がとても面白かったのでアニメ化された作品も見てみました。 でも、印象違う‥‥。 「カフカの『ゴドーを待ちながら』が…」 「ゴドーはサミュエル・ベケットだよ」 「不条理な作品は全部カフカって言っとけばいいんだよ。突っ込まれるところを残しておくの…

深作欣二監督「いつかギラギラする日」2978本目

これは1992年の公開時にすぐ見たはず。なぜかというと、昔から好きなSF・ファンタジー作家の河野典生という作家に「いつか、ギラギラする日」っていうタイトルの小説があって、それと関係あるのかないのかわからなかったから。1980年代を最後にほとんど書い…

三島有紀子 監督「ビブリア古書堂の事件手帖」2977本目

書店とか本に関連した映画はつい見ちゃいますね。やたら点数が低いので全く期待せずに見ましたが、楽しめましたよ。 黒木華はいつも通りだけど、野村周平ってヤンチャじゃない役もいいですね。たたずまいがとてもキレイです。そして成田凌は、もはや安定の領…

鈴木清順監督「夢二」2972本目

「陽炎座」に続いて見ると、濃いですねー。なんというか…雅叙園の蔵の中の世界、って感じ。どろりとした妖艶な美の中に耽溺しながら、楽し気にちょっと狂っていく。それが3本続くと、もうストーリーとかどうでもいい気がしてくる。全体を通している美しさは…

豊島圭介 監督「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」2964本目

公開当時にこれを見た友人から強く勧められてたんだけど、劇場に足を運ぶほどの興味はなく、もっぱら彼の小説を読みながらレンタルに降りてくるのを待っていました。 三島由紀夫の書いたものはとにかく面白い。小心と大胆、ストイックさと強い欲望、矛盾だら…

廣木隆一 監督「ここは退屈迎えに来て」2952本目

むかし、当時仲の良かった友達に原作を読めと言われて読んだ。なんで自分で面白いことを見つけに行かないで待ってるんだろう、異性とつきあう以外あんまり考えてないのってなんなんだろうと思って、共感できるポイントがひとつもない小説だった。その後、そ…

原田眞人 監督「検察側の罪人」2950本目

テレビドラマ的な映画が好きじゃないのでキムタクが出る映画は敬遠しがちだけど、「罪の声」を見た流れでもう1本アマプラいってみます。 二宮和也はともかく、吉高由里子もかつらっぽいボブで出てるなぁ。この役に市川実日子を使わずに吉高由里子をボブにす…

土井裕泰 監督「罪の声」2949本目

<ネタバレあります> ”連休直前、キネ旬ベストテン入りした日本映画を見まくる特集”でもやってるつもりか、私は。 この作品はパッと見、私が苦手なテレビドラマの映画化作品に見えるけど、なんかの記事ですごく面白そうだなと思ってました。 1984~85年の「…

足立紳監督「喜劇 愛妻物語」2948本目

愛妻物語といえば新藤兼人。映画を集中的に見るようになったばかりの2011年に見てました。あれからもう10年か(10年で3000本弱見たわけだ)。 のっけからダラダラしてるだけの夫と、彼をウザがるだけの妻。…妻、わかるなぁ…誰のせいでこんなに忙しく働いてる…

河瀨直美監督「朝が来る」2947本目

<ネタバレあり> 去年10月の公開、およそ半年を経てVODで見ました。原作は辻村深月。 子どもを持つことを望んでいる夫婦のどちらかの生殖器官が子どもを作れないことがわかったときに、作れないほうが「離婚も考えてくれ」って言ったり、「いいよ」って言わ…

大林宣彦監督「海辺の映画館」2942本目

予想はしてたけど、これは、ものすごくコンテクストが重要な作品だな。あの大林宣彦監督の、よりによって最後の作品。ということをほぼ全員知った上で見て評価してるわけだけど、全く知らずにこれを見たとき、どのように私は楽しめるだろうか? わりあい最近…

黒沢清監督「スパイの妻(TV版)」2937本目

やっとBSプレミアムで放送されたので、録画して再見。といってもこれは「NHK番組」なのでプレミアムシネマの枠ではありません。 一度(劇場版を)見たあとで見ると、高橋一生の虚々実々とした感じと、蒼井優のまっすぐに、切実に、正直な感じがこの映画には…