内田百閒の伝記映画、なのかな。「ノラや」でやっと気づいた。私も相当うちの猫を溺愛してるけど、この先生には負ける。映画のなかの内田百閒は子どものように純真で、ひたすら愛されるだけの存在といってもいい。まるで頼りないけど愛される末っ子気質。な…
この映画が公開されたころはもう、私は一日一本くらい映画をみる生活に突入していて、この映画のことも覚えてる。井浦新や若松監督をやる、ということしか覚えてない。でも主役は吉積めぐみという、実在した女性の助監督なんだな。見てみないとわからないも…
パゾリーニ監督作品は、キリスト教の悪い部分を描くことになってるんだろうか? 世界の終わりを告げる使徒のようなテレンス・スタンプ(不吉なジュード・ロウという感じ)がある邸を訪れると、邸の人間はみんな、彼に自分を与えずにいられなくなる。彼が急に…
この前にU-NEXTで配信されてるCNNの「ハリウッド映画の一世紀」っていうシリーズもののドキュメンタリーを見ました。時代を区切って84分間×6本。主役級の俳優や監督が、自分以外の俳優や監督に感激した経験を語る(自分たちのことも話すけどね)のが、見てい…
なるほど。全然”名作”ではないけど、なんかすごくいい。私は、こういうどこかボーっとした人のいい女性が大好きなんだ。なんでだろう?と考えてみたら、私なら肩ひじ張って、バカじゃない振りをしたり、バカだと思われないように努力したり、そういうセコイ…
<結末に触れてますが、昔の作品だからいいよね?> U-NEXTで「ハリウッド映画の一世紀」っていうドキュメンタリーシリーズを配信していて、~1950年代、60年代、70年代、80年代、90年代、2000年以降という6回に分かれているのですが、これが映画好きの魂に…
「11ミニッツ」が”犬死に”を描いた不思議な映画として強烈な印象を残したスコリモフスキ監督。今度はロバ??ロバってすごく可愛いけど、どうもちょっとおまぬけなイメージがあります。この子を彼はどうしようというのか。「バルタザールどこへ行く」で泣い…
この監督の「ヨーヨー」を先に見たんだけど、パリのしゃれっ気あふれる素敵な作品でした。可愛くて可笑しくて優しくて。この作品も、成長した少年がまだうまく大人の男になりきれず、失敗ばかりするのが愉快です。 とにかく、世界中の女子が憧れる華麗なパリ…
教習所で見せる事故映像のように、この映画(ダイジェストでいいから)をすべての高校生とかに見せたら、好奇心で薬物に手を出す人が激減するのでは・・・(具合が悪くなって保健室に駆けこむ人もいそう)。副題「ダメ!ゼッタイ」、としたい。 そんな中毒映…
すごく美的にこだわった作品ですね。たのしく、うつくしく、ちょっと切なく、完成度が高い。ジャック・タチを思い出すなと思ったら、実際エテックス監督はジャック・タチのスタッフだったんだ。この作品の権利関係をクリアして再発するための運動には、ゴダ…
日本に住んでいる外国人の友人が遊びに来ていたんだけど、このあとニューヨーク・バーに行くというので予習(?)として、一緒にこの映画を見てみました。楽しい酒になってくれるといいんだけど。 外国人としてこの映画を見るとどんな気分なのか聞いてみたら…
いい映画でした。ウド・キアー演じるパットのちょっと崩れた色気、素敵です。なんでこう、MtoFの人たちは、妬みや悔しさをストレートに出せるんですかね。 腕もセンスも良かったけど毒舌で身勝手で客が離れて行った、往年のカリスマ美容師。彼の最上客を奪っ…
(ネタバレあるかもです) 私の家の近くにもこのプロジェクトの公共トイレがあります。きれいでいいんだけど、用を足す勇気が全然出ない・・・。トイレという名のアートとして楽しんでいます、では、だめかな。 役所広司とヴィム・ヴェンダース監督だし、す…
会社の倒産、オレオレ詐欺、子どもの結婚・・・想像するお金のトラブルが全部、立て続けに起こります。想像どおりの展開だけど、天海祐希のタフさと図々しさ(役柄上の)が心地よく、それより何より草笛光子のかくしゃくとした美しさやリンとした歌声に惚れ…
ティモシー・スポールとか、スティーヴ・ブシェミとか、若い頃から佇まいそのものが個性的な俳優って、年をとってくるとますます他の人に真似できない存在感が際立ってくるし、なんともいえず惹きつけられてしまう。 この映画って、英国のふつうの人たちの悪…
みなさんも書いているように、切れ切れのこのテンポが妙に集中力を削いで、最後まで見るのに疲れてしまいました。超天才少年少女たち(今回は人数が多い)の話し方に抑揚がないのと、「ActX SceneXX」で流れがちょくちょく止まるので、やっと慣れたこの調子…
<ネタバレあります!> どんでん返しがありそうなので、他の方のレビューは読まず、前情報も抑えて見てみました。 主役ベンヤミンは知的で小柄で、ケンカは強くなさそうだけど、ちょっと鬱屈したかんじの青年。こう見えて実は・・・?と思わせます。なかな…
救いとオチがないダルデンヌ兄弟の監督作品のなかでも、これまた救いのない映画でしたね・・・。(←これネタバレでしょうか?) 感想を書こうにも、言葉がない。こんな現実が実際に存在する。日本にはこれほど確立したマリファナの流通がないと思うので、同…
(この感想も、自分の若い頃の回想ばかりになりそうです。他人の個人的なことなんか読んでられるか!という方には、あらかじめお詫び申し上げます) まず、この映画はロシアやフィンランドやエストニアのお金で作られたものらしい。舞台は1990年代で、その頃…
(ネタバレかもしれない、ご注意ください) 最近、ペドロ・アルモドバル監督の初期の作品をやっと(ほぼ)コンプリートして、改めてアントニオ・バンデラスの変遷を確かめたくなってきました。バンデラスの出世作といえばこの「デスペラード」。昔見た覚えが…
今年はまだ130本強しか映画を見てない。例年300~500本近くまで見てたのにな。 これは久々に「キネマ旬報ベストテン」の本をパラパラ見ていて、まだ見てない名作のうちVODですぐ見られそうなものを見繕ってみました。これもそのうちの一本。 萩原健一、小さ…
これ小さい頃にテレビで見て、怖くて眠れなくなったような記憶があります。違うバージョンの可能性もあるかな? お岩さんとお袖さんの姉妹、日本人形のように上品で美しい。夫となる伊右衛門は若くてシュッとした天地茂。この人はしかめっ面をしていても違和…
(結末どころかストーリー全体に触れています、注意) アルモドバル監督作品の中で見てないのはこれだけになってしまった。日本製のDVDの中古が安く手に入るので、これもまた買ってしまいました。発売元が紀伊國屋書店、丁寧な解説もついてて価値ある商品で…
Amazonプライムは配信終了、バカ高い中古のDVDしか見当たらないので、思い切ってUK版DVDをお取り寄せ。18日かかったけど1700円で買えたし、UKのリージョンは日本と同じだ!とDVDデッキにかけてみたら。。。PALだった。(日本のDVDフォーマットはNTSC)こんな…
この映画ずっとずっと気になっていたんだけど、コロナ禍の直前に仕事を辞めて、収入が不安定な頃だったのと、映画館はわりと苦手(閉所恐怖症かな)で、今頃やっと見ました。遅くなってごめんね。(と、映画に) 普通の男の子が大人になっていく映画。と、ま…
もっかの悩みとして、死とセルライトが並列で出てくるのが女の世界(笑)。 公開時に、夢の世界を壊すとか過激すぎるという話をかなり聞いたので、期待しないで見始めたんだけど、要はこれはグレタ・ガーウィグの世界なんだな。シアーシャ・ローナンに初恋の…
私、なんでこの映画の感想を書いてなかったんだろう。 大学の英文学部で原作者トマス・ハーディの授業を取ったけど、この本は読まないままだった。映画化されたものを見たのは偶然、確か・・・ドイツのどこか・・・ホテルかな。部屋に置かれたテレビで放送さ…
(結末に触れています) この原作(の翻訳)を読んだとき、「アメリカでベストセラーなんだ、すごく独特の世界で美しいけど、どこか拙くもある」って感想を書きました。著者は69歳の動物学者の女性。カイアの緻密な人物造形と比べて、二人の男の造形がゆるい…
1951年の作品だけど、リマスターされていてすっごく映像がきれいです。 「天井桟敷の人々」の監督だよね。「巴里の空の下」とか「嘆きのテレーズ」も見たな。人々が優雅で、ダンスを踊るように動く。夢の中みたいにどこかロマンチックで、でも胸がつぶれるく…
アルモドバル監督作品はほとんど見てるけど、この作品の内容がよく思い出せなかったので、また見てみました。 順番でいうと、世界に知れ渡った「オール・アバウト・マイ・マザー」より「ボルベール」より後で、今見ると色彩のコントラストが強くなり、画面構…