映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デイヴィッド・リーン監督「ライアンの娘」2434本目

ライアンってアイルランドの典型的な名前なのかな。「Ryan Air」って格安航空が有名なのは、この映画にちなんだものなんだろうか。 この映画は巨匠(作る映画すべて大作という意味でも)デイヴィッド・リーンが力を込めて作ったもので、アイルランドの荒っぽ…

ペドロ・アルモドバル監督「抱擁のかけら」2433本目

2009年の作品。年代がわかりづらいけど、比較的新しいほうか。 「謎のカバンと女たち」が見たいけど、作り置きのガスパチョを勝手に客が飲もうとすると、薬が入っているので飲むな…見覚えがあるなぁ。「神経衰弱ぎりぎりの女たち」だな。タイトル違うけどこ…

ウォルター・グローマン 監督「不意打ち」2432本目

これは1964年と大昔の作品。出どころはおそらく町山智弘の本だ。白黒で、冒頭のタイトルからなんだかクール。昨日見た「昆虫パニック」よりずっとソール・バス(オットー・プレミンジャーとかの映画タイトルデザイナーとして有名)が監督したっぽい…。(クレ…

ブレット・ラトナー 監督「ランナウェイ」2431本目

原題は「Money Talks」。1999年の作品。 クリス・タッカーのマシンガントークが楽しいけど、トーンが高くて「さかなクン」みたいだなぁ。エディ・マーフィーの「ビバリーヒルズ・コップ」を1984年に見たときは「なんて面白いの!」とすごく盛り上がったけど…

ソウル・バス監督「フェイズIV 戦慄!昆虫パニック」2430本目

ヒッチコックというよりオットー・プレミンジャーのタイトルバックのしびれるようなカッコよさが大変印象的だったソウル・バスというかソール・バス。 しかしこの映画のタイトルバックは、解像度の低い宇宙の静止画像にただ近づいていくだけの何もない映像で…

ポール・フェイグ監督「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」2429本目

男性の下ネタも苦手だけど、女性の下ネタ(特に汚い系)はナシだなぁ。面白いけど。この映画ってカラッと明るいけど、女同士の友情ってのがどれほど壊れやすいか、見栄や競争心がカンタンにいちばん大事なものを壊してしまうか…っていう部分もあるよね。だけ…

ウディ・アレン監督「アニー・ホール」2428本目

ウディ・アレン自身がウディ・アレンを演じる映画を見るのは久しぶり。最近はケイト・ブランシェットやらホアキン・フェニックスやらがウディアレンの化身となって主役を務める映画が多いから、リメイク前のオリジナルを見てるような不思議な感じ。 というの…

石井裕也監督「町田くんの世界」2427本目

まったく期待しないで見たら、思いのほか面白かった。 町田くんっていう稀有なキャラが、マウンティングしあう時代には清浄剤であり潤滑油であり、キャスティングの妙と監督の熱意とでいい作品に仕上がっていました。 町田くん!細田佳央太って子は初めて見…

東陽一監督「絵の中のぼくの村」2426本目

ふたごの物語だけど、タイトルは「ぼくらの村」じゃないんだな。原作があって、それは双子の共著ではなく一人の著書だからか。 田舎の子どもたちの映画って他にもいくつもあって、「菊次郎の夏」とかもそうだし、そういえばゲームソフトの「ぼくのなつやすみ…

ミッシェル・オスロ 監督「ディリリとパリの時間旅行」2425本目

予告編を見てすごく期待したんだけど、一度実写映像を作ってからCGアニメに落としたような絵が、面白いけど、美しいというよりちょっと雑に感じられてしまう。そうなってしまうと、絵を追いかけて楽しめなくなって筋を追うことに徹してしまう。 男性支配団っ…

アッシュ・メイフェア 監督「第三夫人と髪飾り」2424本目

気になることが3つあります。 1、髪飾りはどこに出てきたのか? 答えは、第二夫人が男女の行為のことを第三夫人メイに説いて聞かせるときに、彼女がメイの身体を髪飾りでなでた…という場面だそうです。ネットの記事を見てわかりました。Wikipediaに項目が…

ステファノ・ソッリマ 監督「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」2423本目

「ボーダーライン」続編だけど監督が違うしエミリー・ブラントは出てない。 トーンが暗くて、ベニシオ・デル・トロが戦いまくり、お嬢ちゃんが振り回されまくったという感じで、バイオレンスの場面が多いのであまり私には惹かれるものがない映画でしたかね……

今泉力哉 監督「愛がなんだ」2422本目

原作がいいんだろうな、この映画の面白さは。役者もそろっています。岸井ゆきの、いいなぁ。成田凌も、なりきる力が高いけど、ほんとのところどういう人なんだろうなーと思わせる。 この映画も、学校内ヒエラルキー関連映画みたいで、惚れられたものが強者で…

阪本順二監督「半世界」2421本目

阪本順二監督の作品は、すごく好きなのとピンと来ないのに分かれる。これはどっちだろう? 私は「SMAPで誰が好き?」と聞かれて「稲垣くん」と答えてたクチだけど、この映画の彼はまったくアイドルっぽさが無い。オーラを消してる。「日常に埋もれてるけどよ…

ケン・アナキン 監督「素晴らしきヒコーキ野郎」2420本目

1965年のアメリカ映画。タイトルが外国の新聞の風刺画みたいなイラストで楽しい。タイトルで映画の中身のトーンは確実にわかる。この映像の雰囲気は「ミニミニ大作戦」みたいだな。アメリカというよりイギリス映画っぽい。 そして凧に乗ったリアル石原裕次郎…

ニキータ・ミハルコフ監督「太陽に灼かれて」2419本目

この監督の映画を見るのは初めて。 前半は無邪気な家庭のひとときが続きますが、人間関係や何をしているのかがわからなくて、取り残されたような感じでついていけませんでした。あらすじを読んでようやく、そこは突っ込まずにどんどん進んでディミトリの登場…

ロヘナ・ゲラ 監督「あなたの名前を呼べたなら」2418本目

よかったです。予告編を見たときは「マダム・イン・ニューヨーク」みたいにコミカルで派手な映画かと思ったけど、もっとシリアスで地に足の着いた映画でした。召使がすごいデザイナーとして成功して有名になって、奇跡的に身分の壁を超える…そんな映画ではな…

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督「ベロニカ・フォスのあこがれ」2417本目

今なかなか見られないレアものです。某図書館で借りました。 「マリア・ブラウンの結婚」も面白かったけど、こっちは最初からなんだか異形な映画です。全盛期を過ぎた女優が中心ということで、当然思い出すのが「サンセット大通り」ですが、あちらはきちんと…

アリーチェ・ロルヴァケル 監督「夏をゆく人々」2416本目

イタリアの、ネオ・リアリズモっていうんですかね、海外のドキュメンタリーみたいな演出のなさそうな映像のなかで、しかめ面のお父さん、優しいお母さん、野性的な女の子たちが素朴に暮らしている…その中に唐突に入り込んでくるテレビの撮影隊。水の精みたい…

アレハンドロ・アメナーバル 監督「海を飛ぶ夢」2415本目

スペインの映画って面白いのが多いな、この監督は初めてだけど、やっぱりいい。題材が、というかこの実在したラモン・サンペドロという人の諦観と知性が素晴らしいです。 どこの国にも、アクティブだったけれど仕事やスポーツ、あるいは不慮の事故で付随な身…

リサ・ラングセット 監督「ピュア 純潔」2414本目

主役の少女は親の住むすさんだ世界にはまりこんでいて、抜け出したいと思っていた。ひょんな勘違いからコンサートホールの受付のバイトを得て、その世界で生きていきたいと憧れる。指揮者は軽妙でスマートで知的で、きっと今までに出会ったことのない男性だ…

アンジェイ・ワイダ監督「悪霊」2413本目

これも「なかなか見られない映画を図書館で見たぞ」シリーズ。 「灰とダイヤモンド」のアンジェイ・ワイダ監督の、名作の誉れ高い作品。ドストエフスキーだし、なんかお宝発見という気分で、エキゾチックな画面を期待していたら… 冒頭すぐオマー・シャリフが…

ブルース・ベレスフォード監督「テンダー・マーシー」 2412本目

えっロバート・デュバル?こんな普通の人だったっけ?私の中の彼はなんとなく“獰猛な人”(※「地獄の黙示録」の見すぎ)なので、穏やかすぎて誰だかわかりませんでした。獰猛というより、優しくてダメな男です。無銭宿泊~泊った分働いていきます~雇ってくだ…

吉村公三郎監督「わが生涯のかがやける日」2411本目

(ネタバレあり) この作品は1948年制作。李香蘭として中国で活躍したあと、敗戦した日本に戻ってきてからの山口淑子の出演第一作です。 猥雑な戦後すぐの東京が舞台で、アジアのどこかの都会みたいなエネルギーが惹きつけます。森雅之がいい男すぎる…。山口…

イングマール・ベルイマン監督「叫びとささやき」2410本目

ちょっとホラーでしたね! 「叫び」は死に至る病を得た長女が絞り出すもの、「ささやき」は病人をおもんばかって妹たちと召使いが、声すら出さず息だけで話す音。ベルイマンの映画は最初に「沈黙」を見て、カメラがあまりに女優たちに寄ってるのに度肝を抜か…

ジャン・ヴィゴ監督「アタラント号」2409本目

何度も見逃したけど、結局近所の図書館のAVコーナーでレーザーディスク(!)でやっと視聴(注:今は令和2年)。さすがLD、映像きれいでしたよ(棒読み)冒頭にメイキングも入ってたし。 で内容ですが、ぼんやりと評判を見聞きしてたときは、猫の出てくる若…

デヴィッド・O・ラッセル 監督「世界にひとつのロマンティック」2408本目

「世界にひとつのプレイブック」にひっかけた邦題だなーと思ったら、監督が同じなんですね。同じ監督なら許されるか…。しかしこっちは、すっとぼけたコメディで、頭に誤って釘を打たれてしまったアリス(ジェシカ・ビール)は終始、茫然としたような表情なの…

マジッド・マシディ監督「運動靴と赤い金魚」2407本目

イランの映画。いろんな顔、いろんな肌色の子がいるね。白人っぽい子もいれば、肌が浅黒い子もいる。みんな無邪気。 靴を買うお金にも困っている家庭で、お兄ちゃんがちょっと目を離した隙に妹の靴を失くしてしまう。家にほかにスリッパくらいしかない。親に…

ジョン・フォード監督「捜索者」2406本目

ジョン・フォードが監督で、ジョン・ウェインが主役で、アメリカのモニュメント・バレーで撮影されたとなると典型的な西部劇ってやつですねきっと。そして、唐突に何の脈絡も必然性もなく、女子供ばかりが立てこもっている家を焼き討ちにして、逃げようとし…

川島雄三監督「愛のお荷物」2405本目

子どもは神様からの授かりものではないのか、この映画では徹頭徹尾“お荷物”扱いで、妊娠した女性は「申し訳ありません!」と父となる男やたちに謝り続ける。逆だろ!時代が違う映画を見るときはわりと寛容なほうだと思っていたけど、これはなんとも。 といっ…