映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

デビッド・フィンチャー監督「ソーシャル・ネットワーク」41

2010年作品。ついこの間上映されたばかり。
IT業界のすみっこに長くいたし、インターネットのコミュニティは昔から好きで参加してきたほうなので、この映画は見ないわけにはいかないと思ってました。

私の周りでもこの映画を見た人は多いのですが、「見なくてもよかった」とか「よくわからなかった」という人も多い…。「面白かった」とは誰も言ってなかったかもしれません。そんなわけで私は期待しないで見たのですが、なかなか面白かったですよ。

起承転結っていう構成ではなく、Facebook創始者マーク・ザッカーバーグが起こされた2つの訴訟を中心にして、訴訟につながった設立時のごちゃごちゃ(過去)と、弁護士との話し合いの席(現在)がパラレルに進んでいきます。

若くて頭でっかちで口のきき方を知らない小僧たちが、どうも憎めません。以前の職場にこういう、偏執狂的に早口で頭の回転が速く、ちょっと傲慢だけど根は人のいいエンジニアがいました。話についていくのに必死だったけど、そんな仲間たちと一緒に過ごすのがいつも楽しみでした。私がこの映画に親しみを感じるのは、そういう小僧たちの映画として作られてるからかな、と思います。マークやその友人エドゥアルド、エリートの双子、Napsterのショーン、それぞれを茶化しながらも愛情をもって描いています。

ハーバードってなんとなくカッコいい、とちょっと思ったけど、映画マジックにだまされただけかも?

今日のひとこと:ビルゲイツのスピーチの場面は、姿よりも声としゃべり方が似てます。以上。