映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランク・カペラ監督「ヤクザvsマフィア」57

1993年作品。

原題は「American Yakuza」…このままでも十分わかりやすいし、実際ヤクザ対FBIが闘いのメインの映画なのでこの邦題はおかしいのですが。
ロードオブザリングのファンには、若きヴィゴ・モーテンセンが主役を演じた映画として知られているでしょう。私は、最近音楽活動を再開した元ARB石橋凌で検索して見つけました。

ひとことで言うと、80年代ファッションやロックの影響を色濃く残した、ハリウッド製B級ヤクザ映画…です。
ところどころアクションシーンをはしょってコストを浮かせているっぽいところがあるし、全編B級の香りただよう、Vシネマな感じの映画なのですが、ヴィゴと凌が出会い、友情をはぐくんでいくという部分はよく描けています。刑務所から出てきたばかりのヴィゴも、アメリカで一旗揚げようとしているヤクザの凌も、義理堅く汚いことが嫌いなのは同じ。わざわざアメリカでヤクザ映画を撮るだけあって、この監督はおそらく親日派でヤクザ映画がお好きなのではないかと思います。FBIを裏切ってヤクザにくみしていいのか、と良識が問いかけてきますが、命を助けたもの、助けられたものどうしの友情は素直に胸にひびきます。

といってもやっぱりB級だなぁ…そんな元旦、今年最初の記念すべき映画がこれでした。以上。