映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ケン・ラッセル監督「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」72

1979年作品。

キノコでトリップしてゴリラになった映画だった。
最近変な映画ばっかり見てるなぁ。(語弊を恐れず、というか、明らかに変わった映画ばっかりだ)

もう少しちゃんと説明すると、とある立派な大学教授が、水の中に浮遊して精神をリラックスさせて自分の内面を覗くという実験にはまってしまい、きのこまで使ってトリップを繰り返すうちに、子ども時代の自分に戻るだけでなく、さらにさらに遡って人類の進化を逆戻りしていくようになり、それが現実の世界まで浸食するようになって・・・ という映画です。

ケン・ラッセルは本当に変だ。異常とか怖いとかじゃなくて、毒もないしいたって正常な人だと思うんだけど、なぜかわざわざ、信心深い人が戦慄したり、良識派の人が立腹したりするような映像を作りたくてたまらないらしい。超自然マニアなのか?この映画の主人公のオカルトマニアの大学教授みたいなタイプの人なのかな?それってまほうのきのこや草の実によって引き起こされるもの?すごく変なんだけど、どこか、まともな人がわざとやってるような、あまり出来が良くない日本のホラー映画を見たときの気持ちとちょっと似ています。どこがどう似ているか説明するのは難しいのですが。

ケン・ラッセルは、猟奇殺人を題材にした血みどろのほんとうに怖い映画とか、人間の内心の怖さや汚さを深く描いたサスペンス映画とかを、どう思って見ていたんだろう?ということに興味があります。

最近ブログへのフィードバックをいただくことが少なくなってるのですが、そうすると誰からも読まれていないかのような気持ちで書いてしまって、だんだん深く考えずに書くようになって、表現も辛辣になりがちな気がします。もうすぐ新年度だし、ちょっと気持ちを引き締めて書くようにしよう・・・。(という反省があると思えない今日の書き出し)