映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・スタージェス監督「荒野の七人」81

1960年作品。
七人の侍」の流れでどうしても見たくなりました。

当時きっとスター・ウォーズのように受けたんでしょうね。スケールが大きくて俳優さんたちがカッコよくて、痛快で勧善懲悪。
映画そのものは、何度繰り返して見ても見逃してるシーンがたくさんある…これは多分、サムライ映画と違って銃を撃ちまくるシーンはうるさく感じて知らず知らず目をそむけてしまってるからだと思います。私には日本の時代劇のほうがいいらしい。

この映画もちゃんと見たのは初めてで、知っていたこともあったけど新しいいろんな発見がありました。
私がレンタルしたDVDは「特別編」と称するメイキングが60分も入っていて、わりと最近制作されたインタビュー映像がたっぷり見られます。これでいろんなことがわかりました。
黒澤の「七人の侍」はハリウッドで本当に大ブームになっていたこと。しかしリメイク権はわずか250ドルで取引されたこと。ジェームス・コバーンは剣の達人「久蔵」役に憧れていたこと。しかしこの人と若造の役以外は、元の映画とそのまま重なる役柄は少ないこと。

俳優についても、改めて調べてみて知ったことがあります。
ユル・ブリンナーってほんとハンサムだなぁ、と思って見てみたら、もともとは「ユーリ」って名前のウラジオストク出身のロシア人なんですね!(スイス、モンゴル、ユダヤの混血らしいですが)この人に髪を生やしたらどんな風貌だろう?
ちょっと「オースティン・パワーズ」のDr.Evilの表情がちょっと似てるような。

そして、メキシコ人かしらと思っていたチャールズ・ブロンソン(うーんマンダム、といっても30代くらいからもうわからないんだろうな)はリトアニア移民だそうです。ちょっと強面な感じだけど、「メイキング」によると誰とでもすぐ仲良くなったらしい。「いそしぎ」ではアーティスティックなコミューンのメンバーの役でしたね。

スティーブ・マックイーンはすぐに目立ちたがって余計な演技をして怒られていたらしい。…私この人とかジェームス・ディーンとかあんまり興味ないんです…。大人気俳優だと思うけど、特にコメントがないので流します。

全体としては、こういうのがアメリカ人が好む映画なんだなぁと刷り込まれました。
オリジナルにも勝る殺戮の数々だけど、本質的に男の人って(なかには女性もいるだろうけど)こういう戦闘シーンが嫌いではないのかな?

そんなわけで、ストーリーがちゃんと追えない有様ではあったけど、アメリカ映画を知る上で欠かせない1本だったと思います。以上。