映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

古澤憲吾「ニッポン無責任時代」83

1962年作品。
NHKBSでやってる「山田洋次監督が選ぶ100本」を録画して見ました。
おかげで、山本晋也監督による詳しい解説もあって、ありがたい。

ま〜適当な映画だなぁ!・・・と楽しく、かつ苦々しく?見ました。
見るときの気分によるんだけど、私にはこういう映画で笑われるコツコツ社員のようなところもあります。今日はなんとなく谷啓になって「してやられたぜ」って感じ。
現実にはこーんな要領のいい男なんかいないし、ここまでだまされ続けるやつらもいないし、やれるもんならやって笑わせてくれよ、ってくらいなのですが。

植木等の底のない明るさがまぶしい。日本より湿度の低い、カリフォルニアかどっかで生まれ育ったとしか思えません。この種のアカルさは所ジョージにもみられます。(原田泰三はちょっと違います。)
ところでクレイジーキャッツはとてもカッコいい。植木等もすらっとしてスーツが似合います。ジャズバンドとしてまずクールで、知的な雰囲気があります。彼らが演じる高度成長期の敏腕サラリーマンはなかなかステキで、周りの女性たちは“お色気たっぷり”、ミッドセンチュリーモダン風の渋いインテリアのキャバレーの名前は「Madrid」・・・そんなところも素敵な映画でした。以上。