映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・シュレシンジャー監督「遥か群衆を離れて」94

1967年作品。2時間50分の大作!!

Thomas Hardyがこの映画の原作「Far from the madding crowd」を書いたのは1874年。19世紀の酪農家や軍人の世界が舞台なので、これが古い映画なのかなんなのか、見ててよくわかりません。。が、やっぱり画面の色合いとかヒロイン女性のメイクとかが、ちょっと古めかしいかな。

ストーリー:牧場主の若く美しいバスシーバ嬢は、かぐや姫並みのモテモテっぷり。同じく牧場主だったゲイブリエルの求婚を断り、中年の豪農ボールドウッドをからかい、プレイボーイの軍曹トロイと恋に落ちる。

・・・という、舞台はなじみのない世界だけど、描かれているのはあくまでも人間ドラマ。1813年にJane Austinが書いた「Pride & Prejudice」みたいに、女性がスマートな浮気男と実直な働き者の間で揺れ動くというドラマを丁寧に描いています。Pride & Prejudiceのほうがより女性目線で主観的・家族中心、こっちのほうが男性目線で客観的・社会的な感じがします。

プレイボーイ軍曹のトロイ氏を演じてるテレンス・トランプがイイ男すぎる。いまでいうジュード・ロウ的二枚目です。この俳優、今も大活躍していて映画「コレクター」の犯人役とかスターウォーズやらスーパーマンやら、さまざまな「悪役・二枚目・老人」役をこなしています。

ヒロインを演じるジュディー・クリスティは鼻っ柱の強いお嬢様にぴったりでチャーミングです。

ちなみにDVD化されていないもよう。NHK BSのプレミアムシネマで放送されたおかげで、見ることができました。昔の映画マニアになってしまうと、見たいのに見られない映画が多くてツライわぁ。・・・以上!