映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

福田晴一監督「二等兵物語 女と兵隊・蚤と兵隊」95

1955年作品。

これもBSで見ました。伴淳三郎が若い。花菱アチャコは私がものごころついたときにはもうあの世の人だったので、なんか伝説の人を見てる感じです。人のよさそうな大男、って印象です。

先日見たばかりの渥美清が出てる「拝啓天皇陛下様」と同様に、軍隊生活を中心に描いた映画ですが、こっちは終戦して除隊されるあたりまでで終わります。両方とも、戦争の虚しさを描いてはいるのですが、こっちはラスト近くに伴淳が自分たちをいじめた上官たちに初めて立ち向かう場面があったりして、反戦色が濃いです。出演者がこんな感じなので、もちろん喜劇なんだけど、ジャンルとしてはコメディというよりドラマだと思います。

あまり強い印象のない映画でしたが・・・終戦10年後時点での反戦メッセージはこういう表現だったんだな、というのがわかりました。

シリーズ化されて何本も公開されたそうですが、ソフトはVHSビデオ化されただけでDVDにはなっていないようです。以上。