映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クリスチャン・ジャック監督「花咲ける騎士道」111

1953年、フランス作品。

中世フランスのある村に、腕っ節の強い美青年がやってきた。彼はしかもプレイボーイ。徴兵屋の娘に「あなたはフランス軍に入って王女と結婚する」と予言されて軍に入り、さまざまな場面で強さを発揮しながら王女の夫の座に近づいていくが・・・。

プレイボーイを演じているジェラール・フィリップが大変な美形で、かつ非常に芸達者。wikiによると、来日したときに当時の日本のスター女優たちも夢中になったとか。エキゾチックな娘を演じたジーナ・ロロブリジーダがまた清楚でかつセクシー。この二人の花のような魅力を中心にして、テンポよくドラマが進んでいきます。素晴らしい娯楽の世界。

ジェラール・フィリップのキャラクターや身のこなしは、ディズニー映画や手塚治虫のマンガに出てくる王子様のようです。ジーナ演じる娘も、「アラジン」に出てくるジャスミンみたい。この映画、ほんとに面白くて素敵です。

原題は「チューリップのファンファン」。ジェラールの役名が「ファンファン」で、王女を助けたときに侍女からもらったチューリップのアクセサリーにちなんでそう名乗るようになります。しかし1953年当時の日本の美意識的には「チューリップのファンファン」では興行できなかったんだろうなぁ・・・。

こういう作品に出会えるのが、テレビのいいところです。いやーたまたま録画しといてよかった。以上。