映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランソワ・トリュフォー監督「突然炎のごとく」124本目

1962年のフランス映画。

おもしろい映画だった・・・。
全然予想してなかった。最初からずっと登場人物自身の語りなのも、フランス人とドイツ人(もとい、オーストリア人らしい、資料によると)の男性二人が友人として出てくることも、こんな成り行きだということも。

二人+の男性に愛されて囲まれているという設定のカトリーヌは、女性から見るとちょっとキツすぎる感じがする。こういう女性が、男性のイメージする女性そのもの、なのか。
女性自身が思っているよりきつくて奔放で感情的で。
岡本かの子みたいね。野生の生き物のような自然な奔放さが新鮮でまぶしいです。

それから、主人公である男二人、ジムとジュールがどんどん好きになる。
親友同士が同じ1人の女を愛する、でそのまま親友でいつづける。ということができるんだ。

・・・人をほんろうするような人は嫌いだ。カトリーヌはもっと優しい妻になるべきだった。とか思うんだけど、でも巻き込まれた二人の男たちが、まるで不幸じゃないのが私を混乱させます。

奔放にならないように、人を傷つけないように、ここ10年くらい大人しくしてきた気がします。でも誰にでも心の中にカトリーヌのようなものがいるのかもしれない。

本当に愛し合ってるのはジュールとジムなのかな。女は人生のスパイス(中毒性のある、麻薬のような)だからシェアできるのかな。

うーむ。美しく上品で、とても好ましい映像や構成で、かなり意外な展開・・・
これがトリュフォーなのか。見てみてよかったです。
・・・この映画が好きな女性って、BL分野にはまるんじゃないかしら(個人的感想)
・・・以上。
(手に入りやすいDVDが見当たらないので、リンクはナシで。)