映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

岩井俊二監督「リリィ・シュシュのすべて」134本目

2001年公開作品。
11年もたってるのに、準新作扱いで420円なのは何故だ!特別版が最近発売されたからなのかな。(→レンタル料金)

事前情報なしで見始めて、最初はなんだか眠い感じだなぁと思って見てたんだけど、だんだん、主人公の市原隼人や、蒼井優といっしょに息苦しくなってきました。人はみんな、というか、たいがいがバカで、傷つきやすいのに傷つけてあってばかりなんだよ。という・・・。

Salyuは去年のカウントダウンジャパンでライブを聴いたことがあるけど、この映画の中で流れてるほうが沁みるのは、人の感覚ってコンテクストの影響が大きいからなんでしょうかね。ドビュッシーも、こんなに美しいピアノ曲だったかしらと思って聞きました。

エンディングにふたたび流れるsalyuの“I wanna be〜”を切ない気持いっぱいで聞きながら、岩井俊二ってどうしてあんなおじさんになってもこれほど中二の気持ちでいられるんだろうと不思議に思います。

出演者は、市原隼人蒼井優がとても可愛いくて、伊藤歩はいい感じにたくましい・・・あとで調べたら伊藤歩ってスワロウテイルのアゲハちゃんなんですね。あのときからプロ意識のある人だなぁと思ってました。(あの映画好きなんだ)

切ない、しかし“エーテルで満たされたように”美しい気持ち。これは傷ついてる少年少女たちのカタルシスになり得る映画だと思います。彼らには美しい音楽が必要。salyu聞いてたくさん泣いてください。以上。