映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マイケル・ゴードン監督「夜を楽しく」139本目

1960年公開。原題は「Pillow Talk」。

いやー面白かった!!この映画最高です。
奥様は魔女」的な、明るくチャーミングなアメリカがこの映画にはあります。

この頃の電話は一家に一回線を引くキャパがなく、この映画ではとある色男と気の強い美人が回線を共有しています。いつも回線を独占して毎日違う女性を口説いている男のことが、彼女はイヤでたまりません。でも独身で恋人もいない彼女は、素敵な人が現れるのを待っている・・・偶然彼らはレストランでばったり。男は素性を隠して彼女を口説き・・・

というラブコメ
ロック・ハドソンは、七三分けだけど今ならジョージ・クルーニーみたいなポジションなのかな。超ハンサムでスイートで、女性なら惚れない人はいない、という。ドリス・デイの青い目・きゅっとまとめたブロンドの豊かな髪・小麦色の背中、明るくきっぱりとした物言いもじつにチャーミング。バービー人形みたい。・・・九重佑三子に似てるとかいうと年がばれますかね、、

劇中歌も、クラブで歌手に促されたり、ドライブ中に歌いだしたりと、自然に入っていけます。これがほんとに楽しい。

しかし。ドリス・デイ1924年生まれなのでこのとき35歳。ロック・ハドソンは1つ年下の34歳。30歳を超えた男女のラブコメが50年代からあったとは、アメリカって!!(cfブリジット・ジョーンズの設定が32歳ですから)

キューティ・ブロンドにしろこの映画にしろ、アメリカの愛する女性ってのはカラっと明るく頭の回転が速い人なんですね。

ほかに・・・衣装が素敵とか。ロック・ハドソンの家が、スイッチひとつで「女口説きモード」に早変わりするようになってるんだけど、その改装を依頼されたドリス・デイが、めちゃくちゃ悪趣味な部屋に改装してしまうのが爆笑!とか。お腹を抱えて笑える小ネタ、大ネタがたっぷりです。

おっと!こんなに昔の映画なのにBlu-rayが出てますよ。廉価でこんな良いものが見られるなら、ぜひ見てみてください。以上。