映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

神代辰巳監督「赫い髪の女」216本目

1979年公開作品。
原作は中上健次なんですね。

なんか、「にっかつロマンポルノ」の「傑作」と言われているらしいので、ずっと見てみたかったんだけど、レンタルしてるところが少なくて、やっと借りられました。当然VHSです。

すごいうらぶれた汚い下宿で、ダンプの運ちゃんの石橋蓮司が道で拾った宮下順子とセックスばっかりしている映画ですが、宮下順子が意外なほど美人で上品なので、思ったほどわびしい感じがありません。音楽は憂歌団(復活してほしい)の既存の曲メドレーなのですが、「メンフィスへ帰ろかな」みたいな悲しげな曲ではなくて、なんだか明るい感じです。もともと木村さんの歌声はブルージーだけど暗くないので、映画の中では雨ばっかり降ってる(雨だと仕事が休みなので家で一緒にいられるらしい)のに、意外とベタっとした感じがありません。女性が見て戸惑うほど強烈な映画ではないので、女の方もぜひ。

といっても、74分間という短さ。任侠ものと同様の、よくわからない義理と人情と欲望のあふれた、男性というふしぎな性のあり方をすこしまた学びました。

(石橋の同僚の若いのを阿藤海がやってるって、しばらくしてから気づいた。)

入手困難だと思うけどリンク張ってみます。