映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダーレン・アロノフスキー監督「ブラック・スワン」218本目

2010年のアメリカ映画。
ロイヤルバレエ団とか出てきますが、アメリカ映画。

ナタリー・ポートマンのポスターが印象的な、あれです。・・・って、え!彼女もう31歳!?この映画のときも、すでに29歳ってことですね。「レオン」は1994年だから19年前か・・・。ずいぶん、憂いまである大人の顔になりましたね。マジメすぎて神経質な感じ、見ていて息苦しくなるようなA型っぽさ、これすべて演技なのかなぁ・・・

日本人にはよくわかるジレンマですね。根がマジメで、人づきあいが苦手だったりして、悪い遊びもしてみたいけど自分を解放しきれない。だからこういう映画は、けっこう心底怖い。プリマドンナや、その他のひどく目立つ役割の人たちでなくても、極度の緊張にさらされていて、(自分が緊張でおかしくなってしまうんじゃないか)というのは大きな恐怖です。

人間には誰でも、成功することへの恐怖心があるし、厳しく育てられた子どもはいろんなことにそもそも臆病になりがちだし。

たぶん実際には、精神が鋼のように強い人でなければこれほどの大役を与えられることはあまりないと思うけど・・・それに、安定剤とか抗不安薬とかいろいろあるし、ここまで張りつめる状態ってあんまりないと思うけど・・・。

最後に少しだけ救いもあるけど、やっぱり怖いなぁ。
「自分の壁は自分だ!自分を解き放て!」・・・解き放たれたらこうなっちゃうんじゃないかしら、とか思うと、ますます内にこもってしまいそうです。あーこわいこわい。・・・以上。