映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ルネ・クレール監督「悪魔の美しさ」227本目

1949年作品。

ひとり“ジェラール・フィリップ映画祭”開催中。
テレビで「花咲ける騎士道」を見てあまりの美しさに驚いて、その後手に入れば見るようにしてます。

この映画は原作が「ファウスト」、老いた研究者ファウストメフィストフェレスに端子いの取引をもちかけられ、姿を変えたのがジェラール。

人はみな老いて力も美もなくし、時間も残り少なくなると、失ったものが惜しくなる。若さや美しさのために悪魔に魂まで売ろうとする。ファウストってのは、それを諌める道徳的な作品、なのかと思ってました。でも、映画を見てみると、そうでもない。

ドラッカーが最後に「もっと遊べばよかった」というようなことを言った、となんかで読みました(※要出典)。そのとき「そうなのか!勉強、まじめ、ばっかりじゃなくて、最後に後悔しないように生きなきゃ!」と思ったりしました。

ファウストに扮した悪魔が、人間が想像して作った悪魔の姿を見て吹き出す場面がおかしかった。そんな愉快な場面もある映画です。ドイツ人の原作をフランスで映画化するとこうなるってことか?

以上。