映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

呉美保監督「オカンの嫁入り」292本目

2010年作品。

タイトルを見ればだいたいの筋は見当がつきますが、ひとつひとつのエピソード、場面、その他いろいろなことを、とても丁寧に描いた作品です。

嫁入りするオカンが大竹しのぶで、娘が宮崎あおい、オカンの婿が桐谷健太と、演技が濃い人たちを中心としていて、演出によってはクドく、イヤな面が出てくることもあり面々ですが、しっかり作った後で抑えたような落ち着きがあります。

上手ではない大阪弁も、やりすぎないことで不自然さが少ない気がします。
大きな感動!っていう仕上がりではないけど、さらっと気持ちよく見られます。
腹三分目くらいな軽食感は否めない・・・テレビで見たからいいけど、映画館で見たら「もうひとつ盛り上げてくれないと!せっかく来たんだから。1800円も出したんだから。」と思ってしまいそうでした。