映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

サム・テイラー監督「猛進ロイド」298本目

1924年サイレント映画

すごい、今からもう89年も前の映画です。日本は大正13年ですよ。
原題はGirl Shyっていいます。女性が苦手、っていう意味かしら。コメディといってもロマンチックな印象が強いのは、ロイドがカッコよくて相手の女性も美しいからでしょうか。

これは、いい。
音楽だけが流れるスタイリッシュな画面、都会的でちょっとモテそうなロイド、美しく着飾った女性たち、といったものがぴったりはまって、素敵な世界を作り上げています。

ロイドこのとき31歳。白塗りしたような顔にまんまる眼鏡。私の父も若いころこういう眼鏡かけてましたが、彼の影響だったのでしょうか。あんな丸眼鏡のどこがいいんだろうと思ってたけど、都会的でコミカルな人気者ってイメージだったのかな。

ロイドが書いている本は、「恋愛上手になる本」。おてんば娘にはワイルドに、プライドの高い娘にはそっけなく・・・なんて、今と何も変わってませんね(笑)。
お金持ちのお嬢さん役のジョビナ・ラルストンも可愛い!こんな服が着られたら楽しかっただろうな・・・。自動車もクラシックカーが普通に走ってて、なんというか19世紀の匂いがまだ残っています。

最後の“カーチェイス”は、自動車と人間の距離がまだ自転車並みに近くて、馬も荷物を引いて歩いています。最後に乗り移った二頭立ての馬車が一番早い!このへんが「猛進ロイド」なんですね。

時代背景もロマンチックなセピア色のラブコメ喜劇でした。

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