映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ビリー・ワイルダー監督「失われた週末」308本目

「絶望的」のちょっと手前だけど、なかなか希望の薄い映画です。
一見パリッとした七三分けの男が、酒の悪魔に取り憑かれて、家族や恋人の努力によってもなかなか這い上がれない。とうとう幻覚が見えてくる場面など、ホラー映画だろって感じなのですが、全体は都会的なドラマのようで、どう捉えたらいいのかちょっと迷ってしまいました。(そもそも映画に単純な類型を求めるなよ、っていうのはありますが)

強い印象を残す映画だけど、あらゆる題材の映画があふれている今、数ある映画の中でトップというほどの感じはなかったです。

立派すぎる兄、気の弱い弟、立派すぎる恋人、ってのがいかんのかな。