映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

チャールズ・チャップリン「醜女の深情」318本目

1914年作品。アメリカ初の長編コメディ映画だそうです。
チャップリンのほかに、「醜女」役にマリー・ドレスラー、ずる賢い美女役にマーベル・ノーランド。
マリーは「あの男性と一緒にいるのは…象?」とか「戦艦のように大きな女」と呼ばれて、目をクマ取った気の利かない金持ち女役。醜女というよりうんと年長で、この映画のときすでに40代。チャップリンは20代後半の若者、マーベルはそれより若い20代前半なので、日本語のタイトルは「年増女」くらいでよかったのでは。

原題はTillie's Punctured Romance、ティリーというのはマリー演じる女性の名前で、「ティリーの失恋」というようなタイトルなのですが、これがどうして「醜女の深情」になるのか?当時日本で公開されたかどうか、いつ誰がつけた邦題かもわからないのですが、アメリカに比べてその当時の日本の感覚はどうかという気がします…。

内容は他愛ないコメディですが、チャップリンと美女がティリーを騙す詐欺師の役だということや、チャップリンが「イケメン」という設定なのがその後の作品とは違いますね。
動作が大きくてゆっくりで、映画に慣れていない人にもよくわかるように配慮されているのかな?と思いますが、今私たちが普通に見ると、もっとさくさく進めてくれ〜と思っちゃいますね。

ちなみに、英語版なら無料で見られます!
http://archive.org/details/CC_1914_11_14_TilliesPuncturedRomance