映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

中村義洋監督「チーム・バチスタの栄光」322本目。

面白かった。

医療現場の、人間関係でなく技術的なミステリーというのは、それだけで未知の世界。
テレビでもやってたというので見てみたら、映画のほうが先なんですね。
竹内結子阿部寛田口浩正佐野史郎平泉成國村隼、というテレビドラマにありそうな華やかなキャスト。そこに吉川晃司が天才心臓外科医として出演していて、若干ぎこちないし滑舌が悪いのですが、迫力があるしなかなか魅力的です。

多分、あえて難しい演出をしないで、みんなにわかりやすいまっとうな映画に仕上げたのでしょう。
この原作なら、もっと渋いメンツを揃えて本格ミステリーにすることもできたはず。
見慣れた出演者たちが、想定内のキャラクター設定で出てくるので、水戸黄門のように安心して見られるけど。
田口を若くて美しい女性に設定しなおしたのは、大成功だと思います。たとえマニアックな作品だとしても、こういうエンターテイメント性は必要ですね。