映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

五社英雄監督「吉原炎上」330本目

1987年か、もう25年も前の作品なんですね。

名取裕子が初々しいです。ほかの女優さんもみんなキレイだし人情味があって魅力的。
しかし日本には昔から、女を財産として扱う歴史があって、(男も下級侍が切腹するのが当然のようなところがあったり)女性がみんな幸せに子供を産んで育てられる国になるのはまだ遠いな、と今も思ったり…。

序列とか出世とか、男の世界と同じ苦労もあるけど、感情がむき出しになる分、女の世界はおもしろい。
とことん追い込んで演技をさせる感じは、最近ではあれですね、園子温を思いだしました。
西川峰子の演技は、結核で瀕死の患者にしてはエネルギッシュすぎます。

もう亡くなった俳優さんもたくさん出てます。根津甚八園佳也子山村聰河原崎長一郎成田三樹夫緒形拳…。いい役者さんたちだったなぁ…。

極道の妻たち」のキャットファイトには参ったので、正直ぜんぜん期待してなかったんだけど、面白かったし、しみじみとしました。名取裕子は今は大女優になってしまったけど、この頃のほうが好きかも。