映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

岩井俊二監督「Love Letter」333本目

1995年作品。
これが岩井俊二の映画デビュー作なのか。
叙情派だなぁ。じわーっとくるなぁ。ジブリの世界のようでもあります。
登場人物たちは、胸に思いをいっぱい溜めてるんだけど、感情をあらわにせず、淡々、というより、おそるおそる暮らしてる。だから、さいごの方で博子が叫ぶシーンにぶわっとくる。
本当に表現のうまい監督さんです。余計なことをしない。

中山美穂一人二役。この人は目が印象的で強い印象を与えるんだけど、口元が若い頃の薬師丸ひろ子にも似てて、戸惑う少女の危うさを無表情のときに表せる人なんだな、と思いました。

ストーリーはちょっと目新しいところもあるんだけど、おとぎ話っぽい設定VS学生ドラマっぽい演技が少しだけ違和感があるかな、と感じました。

あと、1984年当時の女子学生のスカートが、床につくくらい長いのを見てると胸が痛む(←身に覚えが)