映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ドリュー・バリモア監督「ローラーガールズ・ダイアリー」354本目

(なんで借りたか思い出せない)

アメフトやらプロレスやら、こういうスポーツにまったくいっさい興味がないし、音楽もコマーシャルなアメリカンロックは聴かないけど、この映画はほんとに楽しかった。こういう経験(アメリカンで苦手っぽいものを楽しんでしまう)をすると、アメリカが好きになってしまいます。
シャイな女の子がビッチに育って行くサマが、なんともいえず痛快。

ローラースケートファイトのチームが派手なタトゥーやカラリングのグラマーな女ばかりで、それぞれ強そうなリングネームを持っています。主人公のシャイガールは「Babe Ruthless」。童顔(ていうか未成年)だからベイブだけど、かの有名なベイブルースと違って「ruthless=非情」。

俊足とガッツでどんどんチームに勝ちをもたらしていくベイブが出会う王子様は、クールなロックバンドのボーカル。彼が初めての全米ツアーに出かける前の晩に、二人は誰もいないプールで初めて抱き合う…
こういうの、アメリカのふつうの女の子たちが憧れてる世界なんでしょうね。
チームに前からいる大人のビッチたちが、彼女たちの普段の生活やそれぞれの性格がわかるにつれて、だんだん輝いて見えてきます。みんな、いろんなものを抱えてなんとか稼ぎながら、試合で輝こうとしてるのね…。

今思うに、多分この映画はなんか女性雑誌でオススメになってたんだな。大人の女性が10代の頃を思い出して優しい気持ちになれる映画でした。