映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

是枝裕和監督「空気人形」374本目

予想外に面白かった。
”ダッチワイフが感情をもって動き出したら…?”っていう仮定まではできても、そのあとのストーリーはそう簡単じゃない。

空気が入ってる人形は、申し訳ないけど燃えないゴミ、僕らは燃えるゴミだっていうだけのことなんだけどね。という一言に尽きるなぁ。

愛することも生きることも、むなしいのかもしれないけど、でも愛そう、生きよう、ゴミになっても誰かをはっと目覚めさせるくらい、僕らはきれいだよ。…と理解しました。

是枝監督のむなしさと愛を勝手に受け止めました。

ぺ・ドゥナちゃん可愛い。たどたどしいけど、割にしっかりした言葉が、役にぴったりです。クラウドアトラスの彼女を見て、この映画が見たくなったのですが、やっぱりこの映画があったからクラウドアトラスで彼女が使われたんだなぁ、と実感しました。