映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ヘクトール・バベンコ監督「蜘蛛女のキス」396本目

面白かった。じわーっと人と人との愛情のあたたかさを感じました。
「あたたかい」と「熱い」の中間くらいの温もり。って感じ。

1986年にこの映画を見逃したまま、30年近くたってました。
主役の二人の魅力と、挿入される映画の夢のような想像力が印象的。
ウィリアム・ハートは、話し方はわりと男っぽいんだけど、表情がやさしくて女性的。大きな女の人に見えます。
ラウル・ジュリアは、見た目はちょっとゴツいけど熱くて愛情深い、いい男です。
「アダムスファミリー」のときの彼が大好きで、亡くなったときにすごく悲しかったのを覚えてます。

「蜘蛛女のキス」が何なのか。この映画全体に流れる大きなテーマ、なのか?それほどのものではない気もします。
ナチスのもうひとつの映画のほうが、モリーナの気持ちに従ってどんどんストーリーが変わって面白い。
でも刑務所でそんな架空の映画を作り上げるモリーナの想像力はステキだし、正義のためと信じてたんばるヴァレンティノもステキです。政情が不安定な国でなければリアリティのないロマンスです。

最後の最後がファンタジーとは遠いけど、私この映画好きです。