最初は白黒だし、笑いも盛り上がりもないので、地味な映画だなーと思ってみてましたが、終盤の石牢みたいなところの忍者との戦いとか、めちゃくちゃクールでシビれました。
女忍者の色仕掛け、ひっかかっても最後は返り討ち、という感じで人情もなにもなく、ひたすら冷徹にしごとを続けて行きます。役者さんたちがとってもかっこいいし、湿り気のまったくないカメラワークも素敵。
84分のみじかい作品だし、名作ってのとは違うのかもしれないけど、何かすごい輝きのある映画です。1964年っていう時代に、ここまで冷徹な絵を撮れるなんて。なにかに似ているとしたら、白土三平のマンガってかんじでした。
まだ若い山城新伍や田村高広が可愛い。主役の近衛十四郎というのは、松方弘樹や目黒祐樹のお父さんなんですね。
音楽も「死刑台のエレベーター」のマイルス・デイヴィスのように鋭いです。ステキ!