恥ずかしながら、初見です。
ジョン・ローンのまっすぐで真面目な個性が、ナイーブさに見えて、切ない映画でした。
雄大で繊細な音楽も、この切なさを強力にパワーアップしますね。
「1900年」、「ラストエンペラー」と見て、なるほど、ベルトルッチ監督はこういう壮大な叙事詩を描く監督なんだな。人間ってものに深い関心をもって、翻弄されても失わない人間のなにかを求め続けてる、そんな気がしました。
219分もあるのに全然飽きませんでした。この人の映画は、登場人物がどんなにたくさん出てきても、私でもすぐに覚えられる、区別がつく。大中国の壮大な建築物や見たことのない衣装に目を奪われて、近くて遠い道徳や常識や文化に夢中になっていると、3時間なんてあっという間です。
こまかいところについていうと、このくらいトップレベルの血筋の方は、小さい頃からクイーンズイングリッシュが完璧に話せる教育を受けていても不思議はない。私たちのような下々の者とは違うんだな、と普通に思ってしまった。だってあんな弁髪だよ?
それより、あの子どもたちがどう成長すればジョン・ローンになれるのか。そっちの方が私には違和感が大きいです。台詞が徹底的に棒読みなのも。女性たちのおしろいが白すぎて、口紅が赤すぎるのも変だ。中国の人が見たら、私たちが見るSAYURIみたいにイヤ〜な感じがするんじゃないかな。私たちは外国人だから、面白さだけが際立つんじゃないかと思うけど。
ピーター・オトゥールは、適役なの?なんとなく重厚で存在感があるけど、いい人なのか悪い人なのか、影響力があるのかないのか、監督の演出通りに演技しているのかしていないのか、何もわからない感じもします。
それにしても日本の一部のえらいひとたちのやることって…。
(おまけ)そうか、STAR WARS「ファントム・メナス」のアミダラ女王の衣装は、これを見た人が考えたのに違いない(納得)