映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロラン・ブーズロー監督「ロマン・ポランスキー初めての告白」415本目

ポランスキーって、どんなに酷い思いをしても、淡々と、ひょうひょうと、耐えていけるように見える。
本当はどういう人なんだろう?と思って興味津々で見に行きました。

胸が締め付けられるドキュメンタリーでした。
恐ろしいような悪運と強運で、ジェットコースター…いや、フリーフォールのような人生。
ポランスキー自身はきっと、真面目にまっすぐに、映画を作り人を愛して、失敗もしつつ生きてきた人なのだろうと思います。それでも、彼自身にも作品にも、恨みとか自己否定とかを感じさせない。それを「彼の強さ」と言ってしまうのは、なんとなく残酷な気もします。生き続けるほうが辛いこともいっぱいあると思う…。
でも、それでも監督には作品を作り続けてほしいです。100歳まで生きて、もう一度パルムドールをとってほしい。彼にしか撮れない映画がまだ待っているはず。
(DVDは未発売みたいです)