映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ラジクマール・ヒラニ監督「きっと、うまくいく」425本目

最近点が甘くなってる?
いや、エンターテイメント映画として、やばいくらい面白かったのでやっぱりこれは満点でしょう。
コメディに徹して、徹底的にバカをやる。どっかんどっかん盛り上げる。なんというか、すべてにおいてタイミングが絶妙です。日本でいえばCMとか、中島哲也監督の映画とかで感じる、欲しいところにおいしい動きや台詞が来る、かちっとはまる快感。ストーリーも、ひねりがあったりミステリーがあったり、悲劇もあり感動もあり、なかなか面白いんだけど、そこだけ見るんじゃありません。細かく批評する力がなくて残念なのですが、構成、カメラ、編集の妙も特筆すべき域だということはわかります。

エキゾチックな衣装、キッチュだけどちょっと違うメロディライン。学生たちの若さとバカさ。
3バカ、その家族、学校の教授や校長、娘たち、といったキャラクターが非常にはっきりと作られていて、誰が見ても「わからない」ということがない。

「おとなしそうな人にも、必ず面白い部分がある」というのが私の持論だけど、今までに知り合ったインド人は、ニコリともせずに一本調子にしゃべり続ける人ばっかりでした。彼らのどこかに、こんなに賑やかでおかしな世界が入ってるのかと思うと愉快です。ここまで大騒ぎするというのは、みんな寂しがりやさんなのかな〜?

映画を見てゴタクを並べるより、とにかく楽しみたい!という人にはぜひ見てほしい作品です。