映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

黒澤明監督「デルスウザーラ」431本目

すんごいレアもの!と思って飛びついて借りたんだけど、そうでもないんでしょうか?
黒澤明監督がロシアのタイガ地域で撮った映画。モスフィルムだ!
タイトルの意味も不明ーと思ってたら、人間の名前でした。私がイメージするエスキモーに似た、小柄で屈強なアジア人(ゴリド人、今はナナイというらしい)。自然をよく知っていて、森に住む感じが「ノームだよ」と言われたらそうかと納得してしまいそうです。
三船敏郎が出る激しい映画じゃなくて、黒澤監督ののんびりした映画のほうだった。
…というか…普通のロシア映画って感じ。何も知らずに見たら、黒澤作品だなんてまさか夢にも思わなかっただろうな。せいぜい、黒澤映画が好きなロシア人監督、か。

森の人と大柄なロシアの軍人たちがシベリアを歩き回る絵が、それだけでおもしろい。えーと、ロシア版「ダンスウィズウルブズ」?(こっちのが先だけど)ロシア人とふれあう機会がとても少ないからか、出演者がみんな本物の軍人と森の人に見える。記録映画かと思う。
その男ゾルバ」を思い出しました。

最後に流れる歌も大ソビエト連邦的で、ほんとに隅から隅までロシアな感じの映画、と私は思いました。