もっと「どですかでん」の少年が中心のストーリーものの映画かと思ってたけど、全然そうじゃなくて、「赤ひげ」みたいに、いろんな人が貧しいながらも生きている、という映画でした。(原作者同じですね)
インテリっぽくて、プライドばかり高い男がいっぱい出てきますね。
この人たちは今、モンスターペアレンツとかtwitterでネガティブ発言ばっかりする奴とかに進化?してるのかな。
比較的新しい作品のように思ってたけど、1970年って、もう43年も前ですか!鬼籍に入ってしまった俳優さんたちも、まだ若い。父親の違う子どもたちを大事に育てる夫を演じている三波伸介、愛きょうがあって可愛らしいです。カワミツ先生みたいだ。恐妻家の伴淳三郎は、野村監督のようだけど、とてもチャーミング。
奈良岡朋子が、罪深い女性、男を追う女性を演じるのは初めて見ました。
あっ、焼き鳥屋が三井弘次だ!…私この人好き。
美術面は、黒澤監督独特の色づかいなんですか?でも感覚的じゃなくて、論理的です。
赤い家には赤いズボンの男と赤い服の女が住んでる。黄色い家には黄色いタオルの男と黄色い服の女が住んでる。
この町で唯一幸せな「どですかでん小僧」の生活する家だけが、カラフルな電車の絵で満たされている。
“乞食”の親子のゾンビメイクは、ちょっとやりすぎだよなぁ。アダムスファミリーだな。
結末はちょっと唐突。音楽も画面も、急に「なつかしの小学校の教室」のようになって「終」!
この映画の不振のあと、監督が自殺未遂をはかったということも、今回はじめて知りました。巨匠たる精神的重圧ってすごいんだろうな…。