映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

カーティス・ハンソン監督「ゆりかごを揺らす手」441本目

すごくフツーのアメリカの夫婦の家庭に、悪意に満ちたベビーシッターが入り込んで、家庭を壊そうとしたら?…というお話。
ストーリーは割とよく作られてるんじゃないでしょうか。ペットシッターが、他人の家庭をそこまで恨むことの説得力とか。

興味深いのは、悪いペットシッターが、とてもキレイで知的なブロンド女性っていう設定。大昔の映画なら当然のように被害者になっていたブロンド美人です。そして、この家庭を救うのが、すこし知能が低いけどまじめで気だてのいい黒人の元雇用人。「アラバマ物語」とこの映画を社会学的に比較してみてみたい。。

その美しきレベッカ・デモーネイが、悪魔の心を抑えて巧妙に家族に取り入っていく、その目だけが冷たい。
公共トイレでぶち切れて書類をばらばらにちぎって、ドアを壊してしまうシーンも圧巻。
といっても、夜トイレに行けなくなるような腹に来る怖さではないです。

しかし、サスペンス、ホラー、とは思えないくらい画面が明るい。さすが舞台が西海岸、シアトル。ちょっと明るすぎないか?メグライアンとかヒューグラントが出てくるラブコメみたい。そういう意味で、デートでも行けそうな?(ほんとか?)映画でした。。