映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ローレンス・オリヴィエ監督「ハムレット」445本目

おお、ドラマチック。
元々が戯曲だし、画面づくりの影響もあってか、舞台を見ているようです。
劇場のいすに座ってるような気持ちで、今映っている場所の外に、どんなに華麗で目の覚めるような舞台が組まれているんだろう??とわくわくします。

ローレンス・オリヴィエといえばこのハムレットの写真の印象が強いので、ブロンドのギリシャ彫刻のような人だと思ってたら、実は「嵐が丘」では黒髪でとっても濃い容貌。多分そっちが地なんでしょうね。ハムレットデンマーク王室が舞台だからか?ブロンドに染めて演技してるのかな。

発音は英国式、話す言葉も古めかしい。昨夜=yesternightとか!
これは、がんばって繰り返し見て、しっかり聞き取るのが楽しそうです。

劇中劇をハムレットが演技指導するところが、やけに堂に入っていて詳しいところが、監督の顔ですね!

それにしてもハムレット王子(といっても当時彼は41歳)、母親の不貞をねちねち責めるし唇にキスはするし、罪のないオフィーリアに言いよる振りをして動揺させるし。実父である前国王に忠誠なのはいいけど、いい奴というよりマザコンのとんでもない野郎です。クドカンじゃなく遊川和彦作の朝ドラのようです。

シェークスピア作品は、あまり後味が良くないものもありますよね?歌舞伎みたいに、ドラマチックで刺激的なお楽しみだったんだろうな。

2時間半もあるし、大昔の舞台のような映画だけど、難解なところはなく、劇場にいるような気分で楽しめるドラマ大作でした。

それにしても、王の弟も息子も王妃も死んじゃって、この王室どうなるんだろう。。