映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ピーター・ボグダノヴィッチ監督「ラスト・ショー」485本目

ペーパームーン」と同じ監督が、同じく1970年代に、1950年代ふうに撮った作品。
もはや70年代も大昔なので、「あれ、シビルシェパードってカラー作品出てなかったっけ」などと混乱してしまいます。

こういうアメリカの、なんつーことない郊外の町の、なんつーことない普通の人たちって、なんか憎めないんですよね。ティモシー・ボトムスのナイーブな若者らしさ。シビル・シェパードの身勝手な美しさ。その母エレン・バースティン若すぎ!「アリスの恋」で懸命に生きるバツイチの母を演じてたけど、お子さんずいぶん大きくなりましたね、という感じ。
そして「うんと年増の寂しい女」クロリス・リーチマンの演技、泣かせます。若者と恋に落ちるときは本当にセクシーで、いじけるときは本当にひねくれた表情、そして彼を赦していく心の動きの演技といったら。

アメリカの田舎町なんて一度も行ったことないのに、なんだか懐かしく切ない気持ちになります。あー、でかい車レンタカーして、アメリカ横断したい…。