映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フレッド・マクラウド・ウィルコックス監督「禁断の惑星」516本目

1956年のアメリカ映画。

昔の未来映画って、なんともいえないおもむきがあっていいな。
この映画は、なんとなく「月世界旅行」とかと同列に覚えていたので、まさかこんな最近の(つっても60年前)カラー映画だとは思わなかった。ゴジラより後!
これを今見た理由は、ロッキーホラーショーの冒頭で、これと同時上映っていう設定になってたから。
(「昔×未来」も不思議だけど、「SF×バイセクシュアル」もなんか珍妙)

ロビー可愛い!なんかエジソンが作ったみたいな、真空管ロボットって感じ。でも稚拙な感じはまったくなくて、かなりいけてます。
人間の着てる宇宙服に光沢がないのが新鮮。

新しい!と思えたのは、思い浮かべたものを3次元投影する装置や、シャトルカーのリニアな感じ、レーザー光線、7800メートルの建物、レーザーバリアーを見えない怪物が突破するときの映像…この映画、そういった未来的造形がとてもセンスいいです。かなり、実際に今あるものに近いし、カッコいい。

ストーリーは「惑星ソラリス」に似てると思うけど、あの映画にある独特な観念性や重量感がまったくないです。
コンテンツの奥にあるアイデアより、画面の効果に凝るのがハリウッドなのかな…。