映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リンゼイ・アンダーソン監督「if もしも…」535本目

キャー、マルコム・マクダウェルが出てる。知的で反抗的でギラギラした目つき、引きつけますねー。
(ググったら現在71歳の写真が出てきてびっくり。老人になったけど、挑戦的な目つきはそのままです)
今ちまたに、特に日本にあふれてる、がまんしてがまんしてブチ切れる学生たちの映画の元祖。

ロンドンの“退屈極まる中産階級”の子弟の行くパブリック・スクールって、厳しくていじめが多くていやな先生が多くて…というイメージだけど、マルコム=ミック・トラヴィスみたいな反抗的なのがいるのを見ると、ほっとします。
結末は、今見るとちょっと唐突なキレ方にも思えますが、それは多分、もっと追いつめておいて最後は皆殺し、みたいな最近の映画を見すぎてるからかも(ex 悪の教典、バトルロワイヤル、他多数)
でもこの唐突さがテリー・ギリアムの映画とか「博士の異常な愛情」みたいでイギリス的(あ、キューブリックアメリカの人だけど、ピーター・セラーズが…)

ちなみにこれ、新宿のツタヤでVHSを掘ってたら見つかりました。レンタルDVDで出直さなかった作品って、今やほんとにレアものですね。Amazonでも中古VHSですら6000円です。私が借りたテープも、冒頭10分くらい画像が相当乱れますが、背に腹は代えられない!