映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミシェル・ゴンドリー監督「ヒューマンネイチュア」540本目

冒頭からおかしいんだけど、「毛深女」が森に入って"神の恵みの歌”をいきなりミュージカルふうに歌いだすあたりから、もっとおかしくなってきます。
野生の中で育った男性が、研究室の中でテーブルマナーを仕込まれるところとかも。
体中の毛をそり落とした「毛深女」がカツラかぶって研究所の助手をするところとかも。
というか、最初から最後までなんかおかしくて、なんか皮肉で、とってもおもしろい。

生まれ育ったその人の性質を、無理矢理矯正するのって残酷。だけどそれも、ジョークに包んであったかみのある笑いに変える。

これが長編デビュー作なら、これからが楽しみ…と、当時見たら思っただろうな。
私の好きな監督になりそうな予感。(実際なってる)

ブルーレイは過去の短編作品をたくさん収録してあって、お得感があります。